業界再編をはじめ、大きな変化のときを迎えているサーバー業界。有力メーカー6社のキーマンにお集まりいただき、市場の状況やさまざまなトピックをテーマに語り合っていただいた。クラウドサービスの普及はサーバービジネスにどのように影響するのか。Windows Server 2003のサポート終了(End of Support=EOS)に伴う需要をどのようにビジネスにつなげていくのか。さらに、パートナーとの連携や支援策など、めまぐるしく変化する国内市場に対して、6社はどのような戦略で臨むのか、活発な議論を展開した。


出席者(写真左上から)

NEC  浅賀博行氏
デル  魚田直良氏
日本ヒューレット・パッカード  橘 一徳氏
日立製作所  馬場政彰氏
富士通  瀬尾隆一氏
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ  東根作成英氏

司会・進行/『週刊BCN』 記者 ゼンフ ミシャ
写真/長谷川博一


●Windows Server 2003 EOSの本格的な需要は下期から

──まずは、2014年前半(1~6月)の販売状況について、市場動向を交えて教えてください。また、昨年から現在まで、とくに気になったトピックは何でしょうか。

瀬尾(富士通) 消費税アップ前の駆け込み需要、Windows XPのサポート終了に伴う需要で、市場は活況でした。その流れに乗って、サーバーとPCのセット販売が好調でした。

 今後は、Windows Server 2003のサポート終了に伴うリプレース需要を期待していますが、現段階では、まだユーザーの反応は鈍い。そんなユーザーの意識に対して、サポートが終了したサーバーを使い続けるリスクをどう訴求していけるか。とくに、SMB(中堅・中小企業)の需要を掘り起こすには、これが大きなポイントになります。

 気になるトピックは、お客様を取り巻く環境変化です。また、マイナンバー(社会保障・税番号制度)、発送電分離、オムニチャネル(あらゆるチャネルの統合・活用)など、お客様はICTの活用方法、投資の優先順位付けも行っておられますが、これが一気に動き出すものと考えています。

浅賀(NEC) 当社も1~3月は、やはりWindows XPの特需、消費税に関連する需要で2ケタ成長を達成しました。ただし、景気動向も停滞しており、まだ需要が十分に戻っていません。現在もそれほど景気は底堅くはないと感じています。とくに、SMBの投資はどうしても景気に左右されます。Windows Server 2003に関しては、昨年後半からさまざまな施策を行ってきました。その成果が出てくるのはこれからと考えています。

魚田(デル) とくに動きが激しいのは仮想化です。中小企業でも浸透してきました。その結果、案件単価は上がっています。単価を上げていく取り組みとして、2月にvGPU(グラフィックの仮想化)ラボの開設を発表し、仮想化需要に対する新たなソリューション開発に取り組んでまいりました。また、3月にサーバーに搭載するフラッシュ・ストレージ製品を強化し、PCIe接続のSSDを想定したホストインターフェースの新規格で次世代標準のNVMe(NVM Express)の製品を投入しました。これらのオプション品の販売が伸びています。

馬場(日立) 業界を賑わすほどWindows Server 2003のリプレース需要が立ち上がっていないと感じています。ただし、夏以降は、関連するセミナーを開催するとほぼ満席になるなど、ニーズは高くなってきています。

 市場の傾向として感じるのは、業務効率化やコスト削減など、いわば後ろ向きの投資がある一方で、先を見据えた前向きの投資もかなり出てきているということ。市場は二極化しつつあると感じます。

橘(日本HP) 当社も、台数は減少していても、単価は上がっています。それは、案件がサーバー単独ではなくなっているからです。とくに目立つのは、サービスプロバイダを中心とする大規模な投資案件の増加です。これを獲得できるどうかが大きく影響します。

 今後は、Windows Server 2003のリプレース需要をいかに取るかがカギになると考えています。なかでも、リーマン・ショックの時期の仮想化サーバーがそろそろ性能面で限界に差しかかっていて、リソースの増強というニーズがかなり発生すると思います。

東根作(レノボ) 一番のトピックは、もちろんわれわれ自身のことです。私たちが一貫していい続けているのは、今年1月、IBMのx86サーバー事業の買収合意を発表した時点から「何も変わっていない」ということです。IBMのx86サーバー事業をレノボが継承し、人員も新会社のレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが引き継ぎました。パートナーの方々に理解いただき、これまで同様の関係を続けていただいています。

 また、とくに懸念されていた保守・サポートは、今後5年間はこれまで通り日本IBMが保守・サポートを担当し、世界標準の保守サービスを今までと変わりなく提供することをご説明しました。

NEC
浅賀博行
プラットフォームビジネス本部
本部長

人と人の関係を大切にして、パートナー様とWin-Winの関係をさらに高めていきます。


NEC Express5800シリーズ

 拡大する仮想化やクラウド基盤用途に最適な、I/O性能の向上や18コアの処理性能を最大限に引き出す最新2Wayサーバー。管理者の誤操作防止や運用負荷の軽減を考え、操作性や視認性を向上した新デザインにも注目。
http://www.nec.co.jp/exp/

[次のページ]

次へ