2015年1月1日、トッパンエムアンドアイは「TMIソリューションズ」に社名を変更した。社名に「ソリューション」を付けて再スタートを切り、独自サービスを提供するソリューションプロバイダとして生まれ変わろうとしている。他社とは一線を画したサービスの提供拡大を果たすカギになってくるのがクラウド事業だ。「SoftLayer」をプラットフォームとして採用しているSaaSサービス「Caretaker」シリーズの拡販に力を注いでいる。とくに、ドキュメント管理を実現する「Document Caretaker」に対するユーザー企業による関心が高まっている状況。実際に導入が進んでいる。今後は、さまざまなサービスとの連携も視野に入れて、ユーザー企業のニーズに応えていく。

問い合わせが増えている

 Document Caretakerは、企業内外にあるナレッジの共有・管理を実現するドキュメント管理サービスで、ファイルの自動アップロードや自動更新通知、編集内容の共有などができるほか、ユーザー認証やファイルのAES暗号化など、法人利用を想定した高度なセキュリティを確保していることが強みだ。ソリューションプロバイダへの転身を目指すTMIソリューションズにとって、クラウド事業を拡大するための柱の一つで、手軽にドキュメント管理を実現するサービスとして提供を拡大することに力を入れている。TMIソリューションズでソリューション提供の営業全般を任されている笹澤一雅・ソリューション営業担当課長は、「問い合わせが増えている状況」とアピールする。

(左から)ソリューション営業 担当課長 笹澤一雅 氏、事業開発・ソリューション営業本部 営業推進・インサイドセールス課 課長 高橋誠 氏、事業開発・ソリューション営業本部 営業推進・インサイドセールス課 川中エミリ 氏

 笹澤担当課長がDocument Caretakerのビジネスに自信をのぞかせているのは、実際に導入が進んでいるからだ。ある建設業では、CADをブラウザ上で、しかもPCだけでなくタブレット端末でも閲覧できる点が評価されているという。高橋誠・事業開発・ソリューション営業本部営業推進・インサイドセールス課課長は、「セキュアな状態で、いつでも気軽に使えるという点が好評」という。また、作業所でのバックアップやプロジェクト関連文書の体系的管理、関連会社との情報共有を実現する点も採用のポイントになっているとみている。

 医療機関でも導入が進む。ある病院では、電子会議システムとして採用し、これまで会議で分厚い資料を参加者それぞれに配付していたが、PCやタブレット端末で資料を共有できることから、「コスト削減につながるという点も導入する決め手になっている」(高橋課長)とのことだ。


地方でニーズが高まる

 Document Caretakerに対する問い合わせや導入が増えているのは、「ユーザー企業のなかで、(クラウドサービスの採用をまず検討する)『クラウドファースト』が浸透しつつあるからではないか」(笹澤担当課長)と分析する。現在、ユーザー企業数は約20社。東京を中心とする都心部でユーザー企業を獲得するケースが多いが、都心部以外でもユーザー企業を増やすことができる可能性があるという。

 TMIソリューションズでイベントやセミナーの運営などを担当する、事業開発・ソリューション営業本部営業推進・インサイドセールス課の川中エミリ氏は「直近では、大阪で実施したセミナーが非常に好評だった」と手応えを感じている。クラウドサービスが気軽に低コストで導入できる点から、「Document Caretakerを地方で拡販する体制を整えることも必要になってくるのではないか」と川中氏は捉えている。

「Caretaker」のラインアップを拡充

 TMIソリューションズでは、Caretakerシリーズとして、Document Caretakerに加えて、ユーザー企業の営業担当者などが顧客情報の確認や進捗の報告などができるCRMサービス「Sales Caretaker」、研修や人材教育に必要な環境を実現するeラーニング管理・運用の「Learnig Caretaker」も提供している。笹澤担当課長は、「既存のサービスをさらに強固なものにしていくことに加えて、今後はラインアップの充実を図る」との方針を示している。具体的なサービスのメニューや提供時期は今後詰めていくが、「情報セキュリティ対策を実現するサービスや、ERPなど他社が提供しているソフトやサービスとの連携を視野に入れる。顧客視点の新しいサービスを提供していく」(高橋課長)という。

 これまでサーバーの販売に強かったことから、TMIソリューションズのなかでクラウド事業の売上比率は現段階で微々たるものではあるが、クラウドファーストのニーズが高まっていることからも「オンプレミスのリプレース案件もあることから、すべてがクラウドの置き変わるというわけではない。ハイブリッド型の提案などサーバービジネスのノウハウを組み合わせることで、クラウドサービスを提供したからこそ当社全体のビジネス規模が拡大するというサイクルを構築する」と笹澤担当課長は力を込める。