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デル、エントリーサーバーの最新モデル、パフォーマンス・運用効率が大幅アップし、仮想環境に最適

2016/01/25 19:55

 中堅・中小企業(SMB)や大企業の拠点で仮想サーバーを社内に構築するニーズが高まるなか、デルが最新世代インテルXeonプロセッサを搭載した「Dell PowerEdge」サーバーのエントリー製品の新モデルを2015年11月に発売した。当モデルはパフォーマンスや高い運用効率性などが評価され、注目度を高めている。サーバー製品の旧世代まではダイレクト販売を中心に展開してきた同社だが、新モデルなどを起爆剤に、今後はパートナー経由の販売にも本格的に乗り出し、従来の製品訴求に加えてパートナー支援を強化していく。



 新モデルは、1ソケットのタワー型2機種とラックマウント型2機種の計4機種。タワー型は、データ統合やアプリケーションの高速化に最適なミニタワーサーバー「Dell PowerEdge T130」と、ラックマウント可能なタワーサーバーで拡張性と可用性を備えた「Dell PowerEdge T330」。T130は小規模事業者の1台目として、T330はSMBに加え、大企業の支社・小規模な事業拠点などに導入する用途として最適だ。

 ラックマウント型は、効率性と汎用性に優れた1ソケットエントリーラックサーバー「Dell PowerEdge R230」と、自社のアプリケーションを高速化可能な1ソケットラックサーバー「Dell PowerEdge R330」の2機種。R230はデータ統合とアプリの高速化を実現し、R330はタワー型のT330と同様に大企業の支社や小規模な事業拠点などに最適な構成になっている。

最新世代インテルXeonプロセッサ搭載の新モデルサーバー。
左からラックマウント型のR230(左上)、R330(左下)とタワー型のT130、T330

新モデルはデータ転送速度が33%向上、消費電力も大幅削減


 新モデル4機種は、いずれも最新世代インテルXeonプロセッサE3-1200 v5製品ファミリーを搭載し、メモリがDDR3からDDR4にパワーアップしたことなどで、将来的な拡張の余地を確保しアプリを高速化できる。また、メモリのパフォーマンスが大幅に向上し、4つのDIMMスロットとDDR4メモリで最大64GBのスルー時間を実現した。これにより、旧世代のDDR3に比べデータ転送速度が33%高速化した。さらには、PowerEdgeサーバーの組み込み型サーバー管理ソリューション「iDRAC8」を利用したリモートマネジメントが可能で、シンプルで直感的な運用管理ができる。

石垣浩輔
マーケティング統括本部
法人マーケティング本部
エンタープライズソリューション
マーケティングマネージャー


 SMBに導入する際に注目したいのは、消費電力性能が大幅に改善したことだ。旧世代に比べ、アクティブ時で30%、スタンバイ時で50%の消費電力を削減した。また、PERC ( Dell PowerEdge Expandable RAID Controller )の最新世代であるPERC9を搭載することで、IOPが2倍になったことも特筆すべきことである。同社の石垣浩輔・マーケティング統括本部法人マーケティング本部エンタープライズソリューションマーケティングマネージャーは、「既存のサーバーを最新で高性能な新モデルのサーバーに切り替えたとしても、将来的なトータルコストが抑えられ、しかもデータ転送やアプリの高速化などで生産性を高めることができる」と、SMBに導入するメリットを説明する。

 デルのサーバー製品は、約8000社の既存ユーザーからニーズを吸い上げ、きょう体構成を緻密に計算した設計思想に基づき開発しているため、利用者に適した多くの工夫が施されている。さらには、業界標準技術を採用しているため、オープンなアプローチを得意とし、例えば、プライベートクラウドを構築するうえで、ストレージなどを増強する際、他社製品との組み合わせも可能なため、ベンダーロックインに陥る心配がなく柔軟性を担保できる。

 ユーザーニーズを組み入れた同社独自の構成としては、ラック型のR330に搭載した2つのストレージ機能に注目したい。1つは、最大2台の1.8インチSSDドライブを挿入できる機能を新たに搭載し、システムの起動/再起動時間を短縮した。もう1つは、最大4台のケーブル接続/ホットプラグ対応の内蔵3.5インチHDDと最大8台のホットプラグ対応の2.5インチHDDにより、データ増大に対応した。いずれの機能も、同等クラスの競合他社サーバーにはなく、デル製品だけに搭載されているユーザービリティを追求したものだ。

Dell PowerEdge T330に搭載されたストレージオプション

 ラック型のR230も、ケーブル接続型かホットプラグ対応の3.5インチHDDを最大4台内蔵する1つのサーバーに、複数のノートパソコンやデスクトップのデータを統合できる。いずれも、Value for Moneyを実現するために、価格以上の価値を追求した機能強化といえる。

 石垣マネージャーは、「業界標準技術を採用しているため、トラブルが生じても標準パーツで問題を解決できる。当社サーバーを販売する際、当社製品の販売経験がないITベンダーでも導入や保守が容易で、また、運用が簡単で手間がかからないことから、システム担当者のリソースが乏しいSMBに導入されるケースが増えている」と語る。事実、調査会社のIDCによれば、デルは国内中小企業向けサーバーシェア6期連続 No.1(※)を獲得している。
※出典:IDC, Worldwide Quarterly x86 Server Tracker 2015Q3, 2014Q2~2015Q3, 従業員数1-99名の企業

SMBでの仮想化環境の構築に最適なPowerEdge


 同社によれば、エントリー製品の国内サーバー市場は、「クラウドコンピューティング需要が増えているとはいえ、横ばいか若干の上昇傾向で推移する」(石垣マネージャー)と予測する。ただし、「従来のように旧世代を最新サーバーで入れ替える『マイグレーション需要』が増えているわけではなく、プライベート環境で仮想化環境を構築する用途が高まり、リプレース需要が増えている」(同)と、分析する。これは、仮想環境の構築に耐えられるパワーをもったサーバーがエントリー製品でも登場したためだ。デルのサーバーに関していえば、マイクロソフトの「Windows Server 2012 R2」やサーバー仮想化機能「Hyper-v」の最新環境であれば、より有効になる。



PowerEdgeの前世代との比較

 デルは、エンタープライズ向けソリューションの研究開発や企業買収に取り組むことにより、パソコンやタブレット端末といったエンドポイントだけでなく、データセンターの基盤となるサーバーやストレージ、ネットワークといったハードウェアから、クラウド、ビッグデータ、モビリティ、セキュリティに至るソリューションまでを取り扱う、世界トップレベルの総合IT企業としての地位を確立しつつある。デルのサーバー製品を販売すれば、これら機器を含め、「エンド・ツー・エンド」で顧客に製品が販売でき、かつ運用・保守を含めた価値を提供することができる。

 同社は、「Dell PowerEdge」サーバーのエントリー製品の新モデルの発売を機に、競合他社にない総合力を生かし、パートナー販売を本格化する。従来は不足していたパートナー支援策に積極的に投資し、国内サーバー市場での地位の確立を狙う。

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外部リンク

デル=http://www.dell.co.jp/