Windows Server 2003のサポート終了が目前に迫るなか、デルは移行先サーバーとしてSMB(中堅・中小企業)向けの「Dell PowerEdge T320」と統合型インフラ「Dell PowerEdge VRTX」を訴求している。これらの製品とWindows Server 2012 R2搭載のHyper-VやMicrosoft Azure、デルのデータ保護ソフトウェアを組み合わせることで、災害に備えたデータ保護やレプリケーションが実現できる。デルはパートナーとともに、ソリューションの提供で、リプレースが遅れている中小企業などの移行支援を行っていく計画だ。

手軽な操作性と低価格を実現した
SMB向けサーバーと統合型インフラ

石垣浩輔
マーケティング統括本部
法人マーケティング本部
エンタープライズ
ソリューション
マーケティングマネージャー
 Windows Server 2003のサポートが終了する7月15日(日本時間)が目前に迫った。サポート切れのサーバーOSを使い続けることは、セキュリティの危険性だけでなく、ハードウェアの老朽化や拡張性の制約によって追加コストが発生するといったリスクにもつながる。しかし、調査会社のIDC Japanの調べでは、2014年12月末時点で約21万台のWindows Server 2003サーバーが稼働している(※1)と推定されており、中小企業や、多くの拠点や工場を抱える大企業などではサーバーの移行が遅れているのが実際のところだ。

 こうしたWindows Server 2003のリプレースにあたり、デルはタワー型サーバーのDell Power Edge T320や統合型インフラのDell PowerEdge VRTXを提案している。PowerEdge T320は、IDC Japanの調べで4期連続して国内の中小企業向けサーバー台数でトップシェアを獲得する(※2)など、国内SMB向けサーバー市場をリードしている製品である。同社の石垣浩輔・マーケティング統括本部法人マーケティング本部エンタープライズソリューションマーケティングマネージャーは、「PowerEdgeシリーズは世界中で約8000社の企業ニーズを吸い上げ、ユーザー目線に立った機能や特徴を備えている。PowerEdge T320は価格帯もリーズナブルで、気軽に導入できる機種だ」と説明する。

 一方のPowerEdge VRTXは、サーバー、ストレージ、ネットワークをコンパクトなきょう体のなかに収めたオールインワンの統合型インフラで、仮想化に最適なパワフルで可用性の高いサーバーが利用できるため、データセンターをもてない小規模なオフィスや工場、研究所などに設置することが可能だ。ワーナー・ジョナス・デル・ソリューション・センターシニア・ソリューション・アーキテクトは、「PowerEdge VRTXは誰でも簡単にセットアップできる共有ストレージをもっており、問題が発生した際もリモートからトラブルシューティングすることができる。例えるなら、私の母親でも保守ができるほどの手軽さだ」と、優れた運用管理性を強調する。さらにPowerEdge VRTX上に構築したHyper-Vクラスタ環境に「Microsoft Azure Pack」を組み合わせて利用することで小規模でも本格的なプライベートクラウドを構築することができる。

システム可用性とバックアップを
ハイブリッドクラウドで実現

ワーナー・ジョナス
デル・
ソリューション・センター
シニア・ソリューション・
アーキテクト
 PowerEdge VRTXやPowerEdge T320とWindows Server 2012との組み合わせは、災害対策の観点でもメリットが大きい。日本マイクロソフトが昨年10月に提供を開始した、Windows Server 2012 R2に搭載されているHyper-V上の仮想マシンをレプリケーションするサービス「Microsoft Azure Site Recovery(ASR)」を利用することで、クラウドにPowerEdge VRTXやPowerEdge T320の仮想マシンを自動複製し、必要なときにはMicrosoft Azure上で立ち上げることができる。机の下にも収まるPowerEdge VRTXとHyper-Vで構築されたプライベートクラウド環境に対して、Microsoft Azureをセカンダリデータセンターとして利用することで、本格的な災害復旧対策が実現できる。

 「拠点が1か所しかない中小企業でも、Microsoft Azure上に複製のシステムを構築することにより、低価格で迅速な災害復旧対策が可能になる。ASRでは業務中であっても設定した頻度でシステムの複製を行うため、障害発生時に非常に短時間でシステムをリカバリすることができる」(ジョナス・アーキテクト)。

 さらに、デル・ソフトウェアのバックアップソフトウェア「AppAssure」を加えることで、手間をかけずにシステムのデータ保護ができる。AppAssureはバックアップウインドウを排除し、デフォルトで1時間に一度のバックアップを行うことで効率的かつ継続的なデータ保護を実現する。煩わしい設定も必要がないので、専任の情報システム部門をもたない中小企業や、工場や拠点などでの利用にも相性がいいソフトウェアといえるだろう。また、AppAssureに標準搭載されているクラウドアーカイブ機能により、バックアップデータをMicrosoft Azure上に転送することも可能だ。

 石垣マネージャーは、「PowerEdge VRTXやPowerEdge T320は管理がしやすく導入も手軽なので、中小企業に向けてサービスを提供しているSIerにとっても取り扱いやすい製品だ。また、データ保護やレプリケーションもSIerが一つのパッケージとして提供することができる。販売パートナーとの連携で、Windows Server 2003のリプレースができていない企業をさらに支援していきたい」との考えを示す。

 Windows Server 2003のサポート終了が目前に迫るなか、デルは啓蒙やマーケティング活動をさらに継続し、リプレースの終了していない企業をサポートしていく構えだ。


※1 出典:IDC Japan, CY14Q2 Japan Quarterly Server Forecast
※2 出典:IDC, Worldwide Quarterly x86 Server Tracker 2015Q1,
2014Q2~2015Q1, 従業員数1~99人の企業