RIA(Rich Internet Applications)関連の製品を展開する日本ネクサウェブ(デヴィッド・ムン代表取締役CEO)は、RIA製品が国内に登場した初期に発売されたオープンストリーム(当時の開発元はアクシスソフト)のRIA製品「Biz/Browser」のアプリケーションから、日本ネクサウェブの統合開発基盤「nexacro platform」アプリケーションにコンバージョン(変換)する「コンバード君(仮称)」というツールを今秋にも提供を開始する。4月18日に東京で開催したパートナー向けイベント「Nexaweb Innovation Club 2017」で、永井一美・最高執行責任者(COO)が明らかにした。業務アプリをマルチデバイスで使うケースが増えるなかで、「制約からの脱却を図り、利便性を高めたい」(永井COO)と、Biz/Browserが抱える課題を解決することが顧客要望であるとして、同ツールの展開を決めた。

 RIAは、クライアント/サーバー(C/S)のルック&フィールをウェブシステムに適用する目的で、企業内にウェブアプリが普及し始めた2002年当時に発祥した。多くのRIA製品は、開発ツールをもち、実行エンジンを含めプラットフォームとして提供されてきた。ただ、「発祥当時は、ページ表示であるHTMLを救うため、Runtime、Pluginでアプリ実行環境を提供するしか手がなかった」と、永井COOは振り返る。
 
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4月18日に東京で開催したパートナー向けイベント「Nexaweb Innovation Club 2017」で、
Biz/Browserからコンバージョンするツールを発表した永井一美・最高執行責任者(COO)

 しかし、現在は「HTML5」で「アプリを開発できる」までに技術が進化し、Flash並みの表現力をももつようになった。一方で、ウェブアプリを使う環境は、スマートフォン(スマホ)やタブレットの台頭で、デバイス(端末)が多様化するなか、技術の進化が続いている。永井COOは、「技術の進化やデバイスが変化するなかで、Runtime、Plugin環境は、最新環境がそれを排除すれば利用できなくなっており、限界に達している。マイクロソフトが最新ブラウザ『Edge』において、自ら育てた『ActiveX』や『Silverlight』を捨てたことも、こうした流れを象徴している」と話す。

 そこで、日本ネクサウェブは、国内で最も普及しているBiz/Browser最新版(2017年5月8日現在)の「Biz/Browser V」や、それ以前の版である「Biz/Browser XE」のユーザーを対象に、最新の技術やマルチプラットフォーム、マルチブラウザ、マルチスクリーンに対応したRIAである「nexacro platform」に移行できるツール「コンバード君(仮称)」の提供を行う。永井COOは、「ウェブアプリのプレゼンテーション層を強力に支援するUI(User interface)/UX(User experience)基盤を提供する」と、このツールで「nexacro platform」への移行を促進する方針だ。

 「nexacro platform」は、完全ノンインストール(インストール不要)でHTML5規格搭載のブラウザのみで動作するほか、Runtime動作(端末資源へのアクセスや端末固有機能の利用)も可能。また、GUI開発環境である「nexacro studio」で必要な開発言語は、汎用言語の「JavaScript」のみ。各プラットフォームの言語知識などは必要ない。実行時のプログラムも、「JavaScript」と「HTML5」であり、汎用環境に適応している。
 
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制約からの脱却(1)

 RIAが汎用ブラウザ内動作や他ウェブアプリと連携するにあたり、「Biz/Browser V」はInternet Explorer(IE)での動作に制約されるが、「nexacro platform」は、ワンソースでマルチブラウザに対応し、各ブラウザによる挙動差は、提供される「Unified Framework」というJavaScript基盤が吸収するため、 ブラウザごとの個別対応も必要なく、開発工数を大幅に減らすことができる。さらに、開発した一つのソースで、さまざまなディスプレイ環境に最適化したシステムの実装が可能となる機能を用意しており、ロジックは生かしながら、さまざまな画面サイズのUIを構築することができる。
 
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制約からの脱却(2)
 
 「Biz/Browser V」はRuntime動作する上で事前のインストールが必要であり、動作環境がWindowsのデスクトップPCに限られている。また、スマホやタブレットなどモバイル対応する場合は別製品である「Biz/Browser SD」が必要で開発ツールも異なる。そのため、別製品・別開発となり開発コストや保守コストが増大する。さらに、開発言語は独自言語を採用しており、実行時のプログラムも独自形式なため、汎用性に欠ける。一方で、「nexacro platform」は開発ツールである「nexacro studio」という、ただ1つの開発環境からすべての端末環境で動作するアプリが創り出される。
 
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 「nexacro platform」は、汎用ブラウザのみで動作し、そのうえで、ブラウザが持つ挙動差を吸収する仕組みをもつ唯一のRIAだ。かつ、Runtime版も提供していることで、他RIA同様に汎用ブラウザの制約を超える機能も実現できる。

 永井COOは、「Biz/Browserの顧客はRuntimeからの脱却を望んでおり、マルチ環境への対応に困っている。またBiz/Browserは独自言語であり、技術者も少ない。当社の『nexacro platform』の開発は汎用言語で行うので、その心配がない。Biz/Browser Vおよび、その前のバージョンもコンバート可能で、顧客の抱えている課題を解決できる」と、「nexacro platform」へ移行が進むことに自信を深めている。