2020年までに日本市場でNo.1クラウドカンパニーになる、という目標を掲げる日本オラクル。クラウドビジネスでは後発ではあるものの、同社の強みはIaaSとPaaS、SaaSのすべてを全方位でカバーするソリューションを揃えていることだ。また、クラウドビジネスを加速するため新営業組織「オラクル・デジタル」を発足。ミッドマーケットの開拓に取り組むとともに、パートナーとの協業をこれまで以上に加速する。オラクル・デジタルのトップを務める本多充・執行役員に戦略を聞いた。

「オラクル・デジタル」でクラウドの販売体制を強化

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本多充
執行役員
オラクル・デジタル

 「日本のクラウド市場は、IT市場全体から見ると、浸透率はまだまだ低いと考えている。とくにミッションクリティカルなシステムをはじめ、Oracle Databaseの主要ユーザーであるエンタープライズのお客様においては、クラウドの導入は一部にとどまっている。一方で、ミッドマーケットでは、クラウド活用に積極的なお客様が多く、当社としても新たにその市場に注力することに踏み切った」と、本多執行役員は市場感を語る。

 日本オラクルでは、20年までに日本市場でNo.1クラウドカンパニーになるという目標を掲げている。このビジョンの達成に向けた取り組みの一環として、16年10月に新営業組織「オラクル・デジタル」を発足した。オラクル・デジタルでは、IaaS、PaaS、SaaSすべての領域でクラウドを販売する体制を強化するとともに、クラウドのメリットを受けやすい中堅・中小企業といったミッドマーケットの開拓を積極的に進めている。

 オラクル・デジタルでは、中堅・中小企業へのクラウド提案を積極的に行うほか、オラクルの製品・サービスの導入に関する相談を受けつけている。価格や製品に関する回答や、顧客のニーズに最も合致した構成や運用の提案、成功事例などを、電話やメール、チャットなどのツールを駆使してタイムリーかつスピーディーに顧客に届けている。
 
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システムライフサイクルの全フェーズで「オラクル・デジタル」が支援

高品質なクラウドの全方位ラインアップを、驚きのコストパフォーマンスで

 では、Oracle Cloudは他社のサービスと比較して、どのような優位性があるのか。

 オラクルは「データベースの会社」というイメージが強い。実際、世界のデータベース市場で5割以上のシェアをもつなど、存在感は圧倒的だ。「その高いシェアを背景に、日本全国のSIerのなかには多くのORACLE MASTER(日本オラクル社認定技術者)がいて、豊富なナレッジをもっている。Oracle Database Cloud Serviceなら、新たな技術を習得する必要がなく、オンプレミスとまったく同じオラクルの技術・ナレッジをそのまま生かすことができる。」と本多執行役員は説明する。

 また、Oracle Cloud Platformは、オラクルが長年オンプレミスで培ってきたテクノロジーをクラウドに展開したものなので、大規模システムで求められる高い堅牢性、信頼性を兼ね備えているのが特徴だ。加えて、オラクルのIaaSでは、従来のIaaSに足りない要素を追加し、最新技術で構築されているため、これまで対応できなかったミッションクリティカル、かつハイパフォーマンスなシステムにも対応できるよう設計されている。しかも既存のIaaSに比べて低価格。本多執行役員は、「IaaS、PaaS、そしてSaaSと、すべてを全方位でカバーしているだけでなく、速い、安い。しかもミッションクリティカルに対応するIaaSだ。」と強調する。
 
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多様なクラウド・ジャーニーを実現する「Oracle Cloud」

パートナーとの協業強化で認知度をさらに高める

 昨年10月に富士通と提携、Oracle Cloudを富士通の国内DCから提供できるようにした。また、今年2月にはNECと提携。NECの国内DCにオラクルのクラウド専用機「Oracle Cloud Machine」を設置し、同DCを通じて顧客にオラクルのクラウドサービスを提供する仕組みを整えた。これにより、既存ユーザーによるOracle Cloudのクラウド移行が強力にサポートされる。

 一方、既存のオラクルユーザーではない新規のユーザーがOracle Cloudを検討する場合、WindowsやOSSも使えるクラウドがあること、また他のクラウドに比べてIaaSが意外に安価であることに驚いたという声をよく耳にするという。

 本多執行役員は、「まだ、オラクルがクラウドをやっていることを知らないユーザーもいる。また、Oracle Databaseは高いというイメージもあるので、まずは認知度を高めるとともに、そうしたイメージを払拭していく。とくに中堅・中小企業の方々には、単体サービスからでも使ってもらいたい。実際、ID管理、マルチクラウドの管理、セキュリティ、運用管理などPaaS系サービスを中心に案件が増えている。また、オラクルは他のクラウドサービス、アプリケーションを連携させるアダプタも豊富に揃っている」という。

 認知度の向上に、パートナーとの協業は不可欠だ。今年4月には、日本オラクルの国内主要パートナー企業14社が「Oracle Cloud Platform」と自社のソリューションを組み合わせて、独自サービスを提供していくことを発表した。「さらに、ミッドマーケットの開拓に向けて、中堅SIerの方々とも、積極的に協業していきたい。中堅・中小企業の方々がより導入しやすいよう、PaaS系サービスをパッケージ化することなども検討していきたい」と本多執行役員はアピールする。
 
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