新世代のデジタルワークスタイルをVDIで実現

 Windows 7の延長サポートの終了が迫るなか、日立システムズは、Windows 10向けに最適化された仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)を発表した。場所を問わず、さまざまなデバイスから使えるVDIは、生産性の向上や働き方改革に役立つ。デバイス側に情報をもたないことから情報漏えいを防ぎ、Windows10環境でのさまざまな運用にも威力を発揮する。日立システムズは、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(HCI)のハードウェアを提供するスーパーマイクロ、VDI向け高性能グラフィックスボード(GPU)を開発するNVIDIA(エヌビディア)と協業。Windows 10や最新のOfficeシリーズの能力を存分に引き出す高性能VDIによって、Windows 10移行を強力に支援していく。

Windows 10向け
高性能VDIモデル投入の背景

 Windows 7の延長サポート終了は2020年1月14日だが、「使用するOSを統一している企業はWindows 7を搭載したPC調達が徐々に難しくなってくる。また、Windows 10は半年ごとにOSの機能アップデートが提供されるため、その運用方法を検討する必要もあることから、残された時間は少ない。今年、大きな移行ピークがあると考えている」と、日立システムズの高村慎一郎・第一インフラサービス本部第三システム部部長は話す。
 
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(写真右から)NVIDIAの後藤祐一郎ビジネス開発マネージャ、日立システムズの江上竜平主任技師、高村慎一郎部長、
スーパーマイクロのジェームス・シェー・カントリーマネージャー、矢部 充テクニカルマーケティングマネージャー

 近年では、パソコンやスマートデバイスなど、あらゆるデバイスから業務アプリケーションを使うことが求められる。一方で、扱う情報が増えれば増えるほど情報漏えいのリスクが高まることを踏まえ、日立システムズではWindows 10への移行は、「VDI方式が適している」(江上竜平・第一インフラサービス本部第三システム部第三グループ主任技師)と判断。IT基盤として評価の高いHCIを採り入れたVDIを業界に先駆けて投入してきた。

 遠隔地とのビデオ会議、社内外とのコラボレーション作業、在宅勤務など、働き方が大きく変化し、画像や映像をふんだんに使うアプリケーションが急増している。GPUメーカーのNVIDIAの調べによれば、2012年に比べてアプリケーションのグラフィックスリソースの使用量が倍増。Windows 10時代では、さらに顕著になることが見込まれることから、日立システムズでは、NVIDIAのVDI向け高性能グラフィックスボード「Tesla M10」を採用した「Windows 10向け高性能モデル」を2017年12月に投入した。
 
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HCI活用でクラウド水準の
柔軟性を実現

 NVIDIAの後藤祐一郎・ビジュアライゼーション部ビジネス開発マネージャは、「Officeで大容量データの表示や高精細の画像を扱い、いつでもどこでもSkypeでビデオ会議を開く。地図などの検索、eラーニングや商品説明などで動画を扱い、見栄えのいいプレゼンテーションをするため、4Kの映像を日常的に使うのがWindows 10時代のデジタルワークスタイル」だと指摘する。リッチなワークスペースが、ごく普通の業務での“ふだん使い”になる。こうした環境をストレスなく使えるようにするのがNVIDIAの「Tesla M10」というわけだ。

 VDIのIT基盤には、HCIで実績豊富なスーパーマイクロを採用した。HCIソフトウェア基盤は、ヴイエムウェアの「vSAN」をベースに構築。HCIは柔軟性の高いクラウドに準拠したアーキテクチャで、サーバーやストレージなどのITリソースを柔軟に増減できる。スーパーマイクロは、ヴイエムウェアのHCIに準拠した「vSAN ReadyNode」の認定を受けるなど「HCIに最適なハードウェア」(スーパーマイクロのジェームス・シェー・カントリーマネージャー)として実績を積み上げてきた。

 HCIを使うことで、オンプレミスでありながらも、「クラウドのような柔軟性を実現し、NVIDIAのTesla M10にも業界最速で対応している」とスーパーマイクロの矢部充・テクニカルマーケティングマネージャーは胸を張る。日立システムズは、国内唯一のスーパーマイクロの保守パートナーであり、全国300か所のサービス拠点網を活用した保守サービスを行うとともに、データセンター(DC)を活用したハウジングにも対応している。

Windows 10移行の
課題にも対応

 VDIは生産性の向上や働き方改革に役立つだけではなく、情報漏えいの防止やBCPにも役立っている。また、Windows 10導入において、半年ごとに提供される機能アップデート時に、クライアント1台あたり数ギガバイトの配信が必要となるため、顧客は拠点ネットワーク帯域の増速を検討している状況だが、DC集約型のVDI化により、この課題解決にも貢献できる。

 価格は、30クライアント規模のエントリーモデルが498万円から。100クライアント規模のスタンダードモデルが1000万円から。そして今回のTesla M10を採用したWindows 10向け高性能モデルは、128クライアント規模で1800万円から。1クライアントあたりの換算ではエントリーが約16万円、スタンダードが約10万円、高性能モデルが約14万円。規模が大きくなるほど割安になる。スタンダードに比べれば高性能モデルのほうが若干高いが、それでも5年間使ったケースでは、1クライアントあたり月額700円弱の差額でしかない。アプリケーションの一段のリッチ化が進むWindows 10時代のデジタルワークスタイルを考えれば、高性能モデルのコストパフォーマンスは相当に高いといえそうだ。

 日立システムズでは、Windows 7のサポート期限までに1万5000クライアント相当の高性能モデルの販売を見込んでいる。