プライベートクラウドならではのメリットといえば、パブリッククラウドと同様に月額料金なしでTCOをより低く抑えながらも、さまざまなシナリオに応じた柔軟な活用や、データのプライバシーを確保ができる点だ。Synology Japanが提供するプライベートクラウドソリューションは、NASを使用することで、企業内ネットワークにおけるアクセスがパブリッククラウドより高速で、出張や在宅勤務(テレワーク)時にも効率的なファイル共有や共同作業を可能にする。

テレワークに最適な機能を提供するSynology NAS

 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの企業がテレワークの活用を積極的に進めている。だが、テレワークにおいてオフィス内と同様に業務を円滑に進めるためには、チャットツールやリモート会議システムなどの導入だけで済むものではなく、それ以外にも大切なものがある。

 「社内にある業務データに対して、どのようにリモートからアクセスして、管理、編集、共有ができるかが重要になる。この点が、企業の生産性を落とさずにテレワークを実現するためのカギになっている」とセールスマネージャーの田野久敏氏は指摘する。
 
セールスマネージャーの田野久敏氏

 こうした課題に対応するため、Synology Japanでは安全で効率的なテレワーク環境の整備を可能にするため、独自のプライベートクラウドソリューションを提供している。

 NAS製品を専門とする台湾企業のSynologyは、法人向け製品が米国で高く評価され、2019年に総合満足度、おすすめ度の双方でトップの評価(PC Magazine)を得ている。それでは、Synology NASを活用することで、どれほど効率的なテレワーク環境が実現できるのか、メリットが紹介していこう。

 まず、テレワークにおいて課題となるのが、複数の社員がリモートや在宅からどうやって会社データにアクセスするのかという点だ。

 この点については、「Synology Drive」を提供する。Synology Driveは、リモートからのファイルアクセスと共有を可能にするプライベートのクラウドストレージ機能だ。ユーザー、グループ単位でのACL(アクセス制御リスト)設定を可能とし、Synology Drive Clientとオンデマンド同期ができる。

 しかも、Windows Cloud Filterに対応し、PCの保存領域を使わずにエクスプローラからファイル一覧を確認できる(Windows 10 ver.1809以上のみ対応)など、使い勝手にも優れている。社内のファイルサーバーにSynology Drive経由で接続することで、適切なデータ管理とコラボレーションが可能になる。

 次は社内データへのアクセスでどうやって安全を担保するかだが、これにはインターネット越しにSynology NASに接続できる機能としてQuickConnectサービスを用意する。拠点間VPNが不要で、面倒な設定をほとんど行うことなくNASへの安全な接続が可能だ。

 また、Synology NASでは、権限管理機能として、Windows ADとの連携でユーザー、グループ単位での設定が可能だ。IT管理者は、全てのNASをWindows AD(Azure ADを含む)ドメインまたはLDAPに追加し、社員のユーザーアカウントを一括管理することができる。

 「Synology Drive独自の権限設定も用意しているので、より細かな設定もできる。また、各種ログ機能により、いつ、誰が、何を、どうしたかを把握でき、クライアント一覧で、いつから誰がどこから接続しているのか、分かるようになっている」と田野氏は語る。
Synology NASによるコラボレーション機能の紹介図

豊富なコラボレーション機能の多くが無償で提供

 Synology NASは、使い易さ、安定性に定評のある独自OS「DSM」に加え、前述したSynology Driveをはじめ、快適にコラボレーションを行えるようにするための機能が豊富に提供されている。

 「有償・無償含めて計100種類以上にもなり、その多くが自社開発の機能であるため無償で利用できるようになっている」と田野氏はアピールする。

 Chat(オンプレミスのチャットサーバー)は、社内のコミュニケーションツールとして活用できるNAS上のアプリ。リアルタイムにコミュニケーションができるので素早い意思決定が行えるほか、特定テーマやプロジェクトごとのチャンネルを利用し、複数人での打ち合わせもできる。

 MailPlus(簡単管理のメールサーバー)は、安全で信頼性の高いウェブメールクライアントで、POP3に対応した外部の電子メールを受信・取得することも可能。メールボックスを業務パートナーと共有することもできる。さらに、Calendar(カレンダー機能)とMailPlusを連携することで、メール本文から予定を作成することができる。

 リモートワークは直接、顔を合わせて業務する場合と比べて仕事の効率が落ちるという課題がある。それに対しては、「Synology Office(オンライン共同編集)」機能を提供する。Excel、Word、PowerPointとの互換性を備え、Synology Office上でスプレッドシート、ドキュメント、スライドに変換したり、その逆も可能だ。

 保存先を社内のSynology NASにすることで、ウェブページから各ファイルを編集できる。Synology Driveと完全に統合されていたため、Drive内のすべてのOfficeデータへのアクセスや管理が可能で、Driveへの同期や共有機能は各Officeファイルに対しても動作する。

 Chatでコミュニケーションしながらの共同編集や、さらにパスワードや有効期限も設定できるので、社外の提携先とセキュアにデータ共有しながら作業も可能だ。

 「Synology Japanの設立は18年4月だが、日本でも大手IT企業、メーカーのほか、大学や研究機関を中心にSynology NASの採用が拡大している。Synology NASは、もともとマニアックなコンシューマーユーザーに強く支持されてきたが、その方々は研究機関や情シスの方であることも多く、法人向け製品の拡販につながってきた。今は、セールス、サポートの人員と体制の強化を進めており、今回の快適なテレワーク環境構築への貢献もキーワードの一つとして、さらなる法人向け製品の拡販につなげたい。そのためにも販売パートナーを増やしていく」と田野セールスマネージャーは抱負を語る。