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クラウドインフラの設計・構築から運用・セキュリティまでの悩みを解決する、アイレットの「Rackspace Service Blocks for AWS」

2021/03/12 09:00

 アイレットが米Rackspace Technologyと連携して日本で提供を開始した、クラウドマネージドサービス。その第1弾となる「Rackspace Service Blocks for AWS」は、Amazon Web Services(AWS)の設計・構築から運用・管理、さらにセキュリティまで、高品質のクラウドマネージドサービスを安定して提供する。ユーザー企業は、ニーズに合わせてソリューションをカスタマイズでき、コストの最適化を図ることができる優れたサービスだ。

西田淳
Rackspace事業部長

クラウド運用の負担を軽減、ニーズに合わせたカスタマイズでコスト最適化

 企業のDXへの取り組みを背景に、クラウドサービスの利用が拡大している。一方で、クラウドサービスはアップデートの頻度が多く、サービスの種類も多岐にわたるため、その進化にキャッチアップして構築・運用していくことは大きな負担であり、クラウド導入における悩みの一つとなっている。

 この悩みを解消するのが「Rackspace Service Blocks」だ。グローバルで豊富な実績を持つRackspaceがツールやノウハウを提供。マネージドサービスの実行部隊はアイレットのエンジニアが担い、日本にローカライズし、高度な専門知識を持った専門家がクラウドの構築から運用までサポートする。

 「Rackspaceの標準化されたメソッドによって高品質を実現するクラウドマネージドサービスを活用すれば、ユーザーはITガバナンスを効かせた上でDXに注力するための環境をいち早く構築できるようになる」と西田淳・Rackspace事業部事業部長は語る。

 同サービスは、クラウドサービスのライフサイクル管理に必要な要素を以下の三つの機能に分け、AWS向けに提供するものだ。一つめの「Platform Essentials(基本サポート)」は、シンプルなアカウント管理ポータル、Cloud Healthによるコスト管理、AWS Enterprise Supportへのエスカレーションなどを提供する。二つめの「Architect & Deploy(設計・構築)」は、認定エンジニアによる新規プロジェクトに係る設計と構築、Infrastructure-as-a-code デプロイメントのサポート、プロジェクトの推進に必要なテクニカルオンボーディングマネージャーによるプロジェクト管理などエンジニアリングリソースを提供する。そして三つめの「Managed & Operate(運用・管理)」は、モニタリングとアラートへの対応、24時間365日のクラウドとOS管理、運用自動化機能、インスタンススケジューラなどを提供し技術面のみならず、コスト最適化も支援する。

 Service Blocksは全てサブスクリプションで提供しており、分かりやすくシンプルな料金体系も特徴だ。

 「例えば、月額のAWS利用料が5000米ドル以下の場合、Platform Essentials(基本サポート)はAWSの利用料に+22%、Architect & Deploy(設計・構築)は+17%、Managed & Operate(運用・管理)は+28%に設定しており、全てのサービスを利用すると合計で+67%になるが、ニーズに合わせたサービスを必要分だけ選択してソリューションをカスタマイズし、迅速に導入することができる。もちろんAWS利用料が増えれば、料率が下がるように設計されている。また、AWSのアカウントとひも付くので、アカウントごとのコスト管理ができ、コストの最適化を図ることができる」と西田事業部長はメリットを説明する。

 この料金体系と顧客におけるクラウド利用料の最適化は、アイレットにとってデメリットにもなりえる。しかし、Fanatical Experienceという顧客を徹底的に考え抜く哲学がRackspaceには浸透している。顧客に最適な提案をすることで、長期的な信頼関係を作る方針がグローバルの顧客に受け入れられ、Rackspaceは選ばれてきた。この哲学を日本でも引き継いでいる。

AWS Security HubのMSSPパートナーだからこその新サービス追加

 さらに、昨年11月には三つのサービスに加えて、新たにAWSセキュリティ製品向けに24時間サポートによるマネージドセキュリティサービスを提供する「Cloud Native Security for AWS」も開始した。

 同サービスは、グローバルなセキュリティオペレーションセンター(SOC)の認定セキュリティ専門家がサポートするもの。Platform Essentials(基本サポート)との組み合わせでは、GIAC認定を所有するRackspaceのクラウドセキュリティ専門家による24時間365日のSOC監視を提供し、潜在的脅威を24時間体制で阻止する。さらに、Managed & Operate(運用・管理)と組み合わせれば、イベントや所見の是正処置までも実施してくれる。

 「Rackspaceは、クラウドマネージドサービスのベンダーとして、世界で最初のAWS Security HubのManaged Security Service Provider(MSSP)パートナーとなった。だからこそ、いち早く実現できたサービスだ」と西田事業部長は強調。カスタマーサポートの品質も高く、メールではなく電話対応を基本とし、日本語のオペレータが対応するとしている。
 
Rackspace Service Blocks for AWS のサービスイメージ

セキュリティサービスやプロフェッショナルサービスも加え、ビジネスの拡大加速を目指す

 Service Blocksでは中堅・中小、急成長中のテックスタートアップなどを主なターゲットとして拡販していく方針だ。「分かりやすく、早く構築・導入ができ、しかも、SOCの代行も担うためセキュリティの専門家がいなくても安心して使ってもらうことができる。パッケージソフトウェアのクラウド対応を検討しているISVや、SaaSビジネスを展開している企業の方々にも、インフラとして活用してほしい」と語る。

 すでに、Service Blocksの導入が成果を生んでいる事例も出ている。無線ブロードバンド環境のアウトソースサービスを提供するナビック(Nabiq)は、既設の固定ブロードバンド回線と独自のWi-Fi応用技術を組み合わせ、企業・ホテル・店舗などに向けて、顧客向けの自営Wi-Fiサービス環境を構築している。

 「ナビック様は、小さなサービスを多くのユーザーに提供しているため、AWSの運用管理が負担になっていたほか、特定の担当者に属人化し技術者も多くないので、最新技術へのキャッチアップが難しいという悩みを抱えていた。Service Blocksを活用することでインフラの運用管理を任せ、人的リソースをサービス開発などアプリケーションのレイヤーに集中できるようになったという喜びの声を聞いている」。クラウド人材の確保は多くの企業に共通する課題だが、Service Blocksはまさにそのサポートに最適なソリューションといえるだろう。

 今後の展開について、西田事業部長は「AWS以外のクラウドへの対応も図っていく計画で、マルチクラウドのニーズに応えていく。また、クラウド導入を進める企業の中には、立ち上げがうまくいかなかったり、安定化しなかったりする例も少なくない。こうしたケースを診断してインフラを構築する前に、現状のシステム環境を評価し今後の戦略を計画する『Assessment and Strategy』のサービスも提供していきたい。また、Gartnerレポートにもある通り、世界におけるパブリッククラウドサービスへの支出は年々増加し続けている。Cloud Management and Security Services のセグメントではCAGRで15.8%の高い成長が予測され、日本でも大きく成長すると期待している。このセグメントでビジネスを急速に拡大していきたい」と意気込みを語っている。
 
クラウドインフラ利用状況に関するアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_cloudinf
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