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高田社長に聞く、日本最大級のフリーランス・ITエンジニア・サポート企業「PE-BANK」の魅力とは

2025/11/14 10:00

 1989年の設立からフリーランス・ITエンジニアの社会的地位の向上を使命として、働く環境の改善に取り組んできたのがPE-BANKだ。同社の特徴は、取引先企業から同社とフリーランス・エンジニアが共同で案件を受注する「共同受注制度」にある。両者は発注条件を全て把握でき、報酬もオープンなため、エンジニアは納得して案件を受けることができる。充実した支援も相まって長期在籍のエンジニアが多く、累計登録数は4万5000人超と国内最大級だ。高田幹也社長(「高」の文字は『はしごだか』)に話を聞いた。

「共同受注制度」により契約内容が全てオープン、エンジニアの報酬率も高い

――まずは、PE-BANKの概要について教えてください。

高田社長 元々は、89年に「首都圏コンピュータ技術者協同組合」として設立。2007年に協同組合から株式会社に組織変更し、他社との合併などで規模を拡大してきました。今では全国12拠点で展開し、登録エンジニアは4万5000人以上(24年時点)、取引先企業は1000社以上と、国内最大級のフリーランス・エンジニア・サポート企業です。月間約2400人のエンジニアが稼働し、現在の取扱高は200億円弱です。
 
PE-BANKのサービス登録者数の推移

――競合他社も増えていますが、PE-BANKの強みとは。

高田社長 当社は日本でフリーランスという言葉が定着していなかった時代から、取引先企業から当社とフリーランス・エンジニアの方々と一緒に案件を受注する「共同受注制度」を続けてきました。発注条件をエンジニアの方々も全て把握でき、報酬もオープン。当社との分配率もあらかじめ決まっているので、納得して案件を受けられます。フリーランス・エンジニアの方からの信頼を得るという意味でも、大きな強みと考えています。

 同業の多くは再委託方式を採用しています。これだと取引先からの発注情報はブラックボックスで、エンジニアの方々は手数料率も分からず、自分の能力が適切に評価されているのかも判断できないでしょう。

 私たちは、エンジニアの方々を商品としてではなく、共にビジネスを行うパートナーとして考えています。当社はフリーランス・エンジニアの社会的地位の向上を使命として掲げており、その活躍の場を広げ、働く環境の改善に貢献してきたという自負があります。年次が上がるごとに当社の分配率を1%ずつ上げているので、その分、エンジニアの方々の報酬率が高まります。長期在籍のエンジニアが多く、3年以上が72%、5年以上でも56%以上が占めていることからも、居心地の良さを感じてくれているものと考えています。
 
PE-BANKにおけるプロエンジニアの在籍年数

――取引先企業から見たPE-BANKの魅力については、どうお考えですか。

高田社長 当社ではエンジニアの登録基準を設けており、技術面は言うまでもなく、独自のプロ基準をクリアしている人材のみ、お客様である企業に紹介しています。具体的には、正式な請負ができる個人事業主であり、お客様との信頼関係が築けること、納税の義務を果たしていること、そしてコンプライアンスや情報セキュリティーを遵守できることを契約条件にしています。また、年1回のeラーニングの受講も必須としています。面談を通じて、高い技術を備え、責任感と信頼性のある人と確認できた方のみを登録しています。

営業や事務処理の代行から学ぶ場や交流の場の提供まで、エンジニアを幅広くサポート

――フリーランス・エンジニアへの具体的な支援について教えてください。

高田社長 「共同受注」のため契約や事務作業は当社が代行するので、事務作業の負担が減らせます。最も利用が多いのは確定申告サポートで、当社の委託税理士が青色申告や納税の各種手続きを有償でサポートしており、年間約700人が利用しています。

 福利厚生の一環として、年末にプロエンジニア・パーティーを開催。エンジニア同士の交流の場を設けています。また、「ProTechOne」というITエンジニアが押さえておくべき業界動向を、セミナーを通じて「学び、語り合う」Webイベントも毎年開催しており、今年は1000人以上が参加しました。その派生イベントとなるテック系ウェビナーも毎月実施しており、毎月2~300人の申し込みがあります。このほか、拠点単位でゴルフや野球観戦など、対面イベントも開催しています。資格取得の補助では、情報処理技術者試験など一部試験は受講料を全額補助し、技術系セミナー受講料の補助も行っています。
 
高田幹也社長
高田幹也社長

――今後の事業展開については、どのような展望をお持ちですか。

高田社長 これまでプログラマー、SEの案件が中心でしたが、今後はコンサルなど、より上流工程の案件受注を強化し、エンジニアの活躍の場を広げたいと考えています。もう一つ、力を入れているのが一般企業向けのIT教育やIT人材の育成を担う「Pe-BANKカレッジ」です。実務に精通する約50人の現役エンジニアが講師として在籍していますが、市場ニーズが高いのでさらに強化をしていきます。

 CSR活動の一環として、「AIアスリート」となる高校生を発掘・育成する競技大会「シンギュラリティバトルクエスト2025」や、大学生や高専生、高校生など、学生であれば年齢を問わず参加可能なエンジニアキャリア育成プログラム「技育(GEEK)プロジェクト」にも協賛しています。協賛を通じて、エンジニア育成を支援するとともに、ITフリーランスの社会的地位の向上に貢献していきます。
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外部リンク

PE-BANK=https://pe-bank.co.jp