ダイワボウ情報システム(DIS)は、全国の販売パートナーを通じたIT製品・サービスの提供によって、地域の課題解決に取り組んでいる。各地の会場で対面形式で開催される各種イベントは、IT導入のメリットや効果を、顔の見える形で地域に伝える重要な場となっている。本連載では、DISが開くリアルイベントの熱気や関係者の生の声を、紙面を通じてお伝えしていく。第3回は、11月13日に静岡県浜松市のアクトシティ浜松で開催された「DIS ICT EXPO 2025 in 浜松」の模様をお届けする。
静岡県浜松市のJR浜松駅前。
同市は「デジタル・スマートシティ構想」を進めており、官民が連携して取り組んでいる
最新ソリューションを直接チェックできるチャンス
世界的に有名な楽器メーカーや自動車・オートバイメーカーを生んだ浜松は、現在も「ものづくりの街」として多くの企業が生産拠点を構えている。ICT EXPOの会場でも、生産管理支援システムや工場内の安全性を向上させるカメラシステムなど、製造業向けの多彩なソリューションが並んでいた。
会場のアクトシティ浜松
今回のICT EXPOには80社以上が出展。AIソリューションやアプリケーション、ITインフラ基盤、セキュリティー、ネットワーク、モバイル・エッジデバイス、周辺機器などの製品やサービスが紹介された。
特別講演やセミナーは、生成AIやデータ活用、セキュリティーに関する内容が中心だった。ユーザーやパートナーのビジネス拡大を目指し、「Amazon Web Services」のコンテナオーケストレーションサービス「Amazon ECS(Elastic Container Service)」を活用した、アプリケーションのデプロイ方法を学ぶハンズオントレーニングも実施された。
セミナーを熱心に聞く来場者
ICT EXPOには市内だけでなく、沼津市や名古屋市など県内外から1067人が来場した。最新ソリューションを直に確かめて、その場でメーカーの担当者から説明を受けることができる貴重な機会に、多くの人が新たな出会いと発見を求めて各ブースを訪れていた。
多様な商材の組み合わせで生まれる付加価値 中小企業の幅広いニーズに応える
全国的にデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進される中でも、まだまだ最新技術の取り扱いに迷いがあり、デジタル化を進めることができていない中堅・中小企業や小規模事業者は少なくない。当日、会場に設けられた118のブースでは、こうした課題を解決するさまざまなソリューションが展示された。
浜松に多い製造業に目を向けると、工場など騒音の多い現場でも話者の声をクリアに拾う会議システムや、音の大きさを可視化し、製品の不具合の特定などに活用できる音響カメラ、フォークリフトの動きをAIとカメラで追跡できるサービスなど、幅広いニーズに対応する製品が並んだ。
市内には全国的に有名なうなぎや「うなぎパイ」といった食品関連企業もあることから、食品管理にICTを導入し、ヒューマンエラーの削減に取り組む事例も見られた。
DISとパートナーシップを結ぶ強みについて、出展したある販売パートナーは「多数のメーカーと取り引きがあり、DISを通じてあらゆるジャンルの商品をパッケージで提案できる点にある」と説明する。例えば、メーカー単体では会議室用マイクのみの販売に留まるが、DISの力を借りることで、PCやネットワーク機器、会議アプリケーションなど会議室一式のソリューションを提案できる。多様な商材の組み合わせが付加価値を生み出す。国内各地に物流拠点を有しており、迅速な納品が可能な点も大きな魅力となっているという。
来場者でにぎわうブース
顧客の円滑なIT導入を支える キッティングと保証サービスで安心を提供
DISはIT機器の配送や、それに付随するサポート、サービスにも強みを持ち、顧客の円滑なIT導入を支える。グループ会社であるディーアイエスサービス&ソリューションのブースでは、「キッティングサービス」と「延長保証サービス」を中心に展示していた。
キッティングサービスでは、埼玉県の物流倉庫内にあるキッティングセンターで、遠隔地にいる顧客や販売店の担当者からの要望に沿った作業を実施し、作業設定済みの状態で届けられる。ブースではデモンストレーションとしてリアルタイムでキッティングセンターとWebで接続し、作業現場の臨場感をお伝えする様子を披露して、来場者の関心を集めた。
ディーアイエスサービス&ソリューションのブース
多様なメーカーの導入作業に対応できる点も特徴だ。DIS側が作業設定済みの在庫を保管しているため、パートナーは必要な時に納品先への直接配送を依頼でき、送料負担や納品スケジュールの遅延といったリスクの軽減につなげられる。納品前の品質チェックも対応する。
延長保証サービスでは、PCのメーカーを問わず対応している。DISグループ内で連携し、顧客に寄り添ったサービスを提供する体制も整えている。
週刊BCN記者が聞く来場者の声 「提案の幅が広がる」場
来場者の話を聞くと、新しい商材を探すだけでなく、学びの場としても活用している様子がうかがえた。近隣で開催されることを喜ぶ声や、「規模がちょうどよく、余裕を持って見て回れた」といった感想も寄せられた。
沼津市から来場した販売パートナーの50代男性は、顧客の課題解決につながるヒントを求めて参加。「一つの商材だけで解決できることは少なく、複数のソリューションを組み合わせた提案が求められている。さまざまなサービスや製品が集まるこの場は貴重な機会」と話し、会場を5周して情報収集に努めていた。
名古屋で卸売業に従事する30代女性は「最先端技術に触れることで提案の幅を広げたい」との思いで来場した。特に生成AIを導入する際の情報漏洩対策に関心があり、「企業規模ごとのユースケースなども知りたい」と、各ブースに足を運んでいた。
浜松市内から訪れたシステムエンジニアの50代男性は「有事の際に役立つソリューション」を求めていた。同業他社がサイバー攻撃の被害を受けた経験から、「小規模企業でも予算内で導入できる、松竹梅の『梅』より下にあたるサービスも求められている」として、バックアップ製品の説明に聞き入っていた。オンラインでの対応は進化しているものの、やはり対面でのサポートがないケースには不安を感じており、全国展開するDISのネットワークに期待を寄せていた。
市内の製造業で事務を担当する40代女性は、セキュリティーソリューションの契約更新のタイミングで導入製品の見直しを検討しているという。会社でもベンダーの営業から説明を受けたり、インターネットで調べたりしているが、「自分の目で確認したかった。メーカーから直接話を聞けて良かった」と笑顔を見せた。
地域の課題に応じた提案を続ける
大企業を中心にクラウドの採用が広がる一方で、全国では今もオンプレミスを利用する企業が多い。山田将平・係長は、ITへの関心や理解が深まらず、クラウドが浸透しないと指摘する。「ICT EXPO」ではクラウドの利点を訴求し、興味喚起に努めた。
西日本営業本部
中部営業部 浜松支店
山田将平係長
「オンプレミスでは、災害などによってハードウェアが壊れる可能性もある。クラウドならば、データは守られ、事業を継続しやすい。こうしたメッセージを伝えられた」と手応えを語る。今後も汎用性のある製品だけでなく「全国に広がるDISの拠点を通じて地域の課題を把握し、それに特化した提案を続けたい」と展望した。
具体的な活用イメージで訴求
中部地方の「ICT EXPO」は名古屋市を中心に開催されており、大きい規模のイベントが浜松市で開かれるのは数年ぶりだ。開催の狙いについて、山田俊之・浜松支店長は「浜松のDXをさらに推進するため」と説明する。
西日本営業本部
中部営業部 浜松支店
山田俊之支店長
会場ではソフトウェアだけでなく、ハードウェアを含むソリューションも幅広く展示された。「製造現場での具体的な活用イメージを持ってもらえるような内容を目指した」という。
山田支店長は「どの業界でも人手不足が深刻だが、多くの企業が解決策を見いだせていない。AIといった新技術を提案し、そのきっかけをつかんでいただきたい」と力を込めた。