セッション2では、ラネクシーのプロダクトソリューション本部営業部でセールスグループリーダーを務める嶋崎藍氏が、業務効率化を阻む「見えないボトルネック」の解消法について解説した。
ラネクシー
プロダクトソリューション本部 営業部 セールスグループ リーダー
嶋崎 藍 氏
製造業のDXが進む中、現場では依然として「図面が重くて開けない」「過去資料を探すのに時間がかかる」「他システムと連携できず手作業が残っている」といった課題が山積している。嶋崎氏は、大規模なシステム刷新をせずに、これらの課題を解決できる図面・帳票データ運用の見直しポイント3選を、実際のユースケースとコスト試算を交えて提示した。
第1の見直しポイントは、大規模DXの前に着手すべき「待ち時間の削減」だ。現場では重い図面を開く際や、専用ソフト起動時の待ち時間が大きなロスを生んでいる。従来はデータ変換や専用ビューアーの開発で対応していたが、コスト面などが課題だった。この解決策として「ドキュメント表示API」を活用し、データをそのままブラウザー上のビューアーに組み込むアプローチを嶋崎氏は提唱した。例えば120人が1日25回ファイルを開く環境で、表示時間を10秒短縮できれば、時間単価4000円とすると、年間約2000時間で約800万円の削減になるとした。
第2のポイントは、探す時間ではなく「判断停止時間を消す」ことだ。図面データが適切に管理されていても、別アプリを立ち上げて確認する手間が発生すると、業務が分断され、思考や判断が停止する時間が生まる。80人が1日12回、90秒の判断停止時間を費やすと、年間5760時間、約2300万円の思考ロスが発生することになる。その解消には、ドキュメント表示APIを利用し、既存の業務画面内に直接ドキュメントを参照できる仕組みを組み込み、システム内で業務を完結させることが重要だと述べた。
第3のポイントは、システムの「全面刷新よりもつなぎ目の解消」。基幹システムが刷新されても、ファクスデータの処理や別アプリの起動など、システム間のつなぎ目には手作業が残り続けている。全面刷新やRPAなどの大掛かりな手法では、例外対応や長期的なコストがネックになる。そこで嶋崎氏は、ドキュメント表示APIを用い、業務画面上で複数ファイルをスムーズに参照し、承認処理までを可能にする部分改善を提案。これにより、数千万円から数億円規模になる大型のシステム刷新投資を回避しつつ、業務の分断を解消できると強調した。
最後に嶋崎氏は、このアプローチを実現する具体的なソリューションとして、ラネクシーで取り扱うドキュメント表示API「PrizmDoc」の機能を説明。原本データを保持したまま表示用に変換することで機密性を確保しつつ、CADやTIFFも高精細かつ高速に表示可能。API群により柔軟な構成設計が行え、朱書きやマスキングなどの機能を既存システムへ容易に組み込める。また、クラウド/オンプレミスの双方に対応するとした。