6月3日のセッション1では、ダイレクトクラウドの石田圭一・プロダクト本部本部長が「データインフラ型AIサービスで働き方を革新する」と題し、企業におけるAI活用とファイル管理DXの重要性について講演した。
ダイレクトクラウド
プロダクト本部 本部長
石田 圭一 氏
生成AIは、議事録作成や社内ヘルプデスクなどで普及しつつあるが、全社展開には大きなハードルが存在する。石田氏は「AI導入企業の約63%が期待未満や限定的な効果しか得られていない」と指摘し、その理由をユーザー単位の課金によるコスト増と、費用対効果の算出の難しさにあると分析した。この課題を解決するアプローチとして、石田氏が提案するのが「クラウドストレージ×生成AI」という枠組みだ。日常的に社内データをセキュアに管理するクラウドストレージにAIを組み合わせることにより、AIのハルシネーションや情報漏えいリスクを払拭し、誰もが安全に利用できる環境が構築できると語る。
その具体的な解決策として紹介したのが、クラウドストレージと生成AIを統合した「DirectCloud AI」。最大の特徴は、用途に応じて最適なAIモデルを使い分ける点だ。例えば、Web検索には「Perplexity」を採用してハルシネーションを抑え、出典リンク付きで信頼性の高い情報収集を実現する。また、社内文書を基に回答を生成する「高精度RAG」機能では、PDF内の表構造を維持したまま読み取り、将来的にはExcelデータから傾向を要約してグラフを自動生成するなど、実務に即した高度なデータ活用が可能になる。さらに、自然言語の指示だけでDirectCloud上の業務操作を自動実行するという対話型UIの利便性を説明。ファイル検索や共有リンクの作成、メール送信、管理者によるログの異常検知まで簡単な指示で自動実行することで、大幅な時間短縮が実現できる。
リリース予定の新機能「MCPサーバー」についても言及した。「Slack」や「Salesforce」などの外部ツールから、DirectCloud上の社内データへ安全に直接アクセスし、AIに回答させることが可能になる。また、「DirectCloud Drive」、NASとクラウドを同期してハイブリッド運用を実現する「DirectCloud Gateway」などのストレージ機能、PCとWebアプリを統合した「DirectCloud One」の機能も強化した。
石田氏は、AI全社展開におけるコスト、社内への定着化、セキュリティーという三つの壁に対し、ユーザー数無制限の定額制や、堅牢なアクセス制御、AIに学習させない仕組みの実装で解決できると説明した。最後に、ユーザーも管理者も、いつの間にかAIを使っているという状態を実現することの重要性を強調。「DirectCloudは“ただのストレージ”という領域を超え、日常業務に自然に溶け込むAIアシスタントとして、企業の生産性向上と働き方の革新を支える強力なデジタル基盤になる」とアピールした。