6月4日のセッション3では、サイバーセキュリティクラウドの永吉邦浩氏が「AIによるリスク増加とサプライチェーン攻撃に備えたセキュリティ設計」と題して講演。AI技術の発展がもたらす新たな脅威と、標的となる中小企業が抱えるサプライチェーン攻撃のリスクを解説し、それらに対応するためのセキュリティー設計を示した。
サイバーセキュリティクラウド
セールス&マーケティング本部
パートナーアライアンス部
パートナーデベロップメントマネージャー
永吉 邦浩 氏
AIが業務効率化に貢献する一方で、サイバーセキュリティーの観点では、外部攻撃の高度化・高速化という新たなリスクの引き金になっている。攻撃者はサイバー攻撃のアシスタントとして生成AIを悪用することが考えられる。つまり、生成AIの利用が悪意あるBotの生産や未知のマルウェア作成につながる懸念だ。
これにより、システムの脆弱性発見から攻撃までの猶予時間がゼロに近づいていることに加え、大企業の強固なセキュリティーを避け、対策が手薄な関連会社や外部ベンダーなど中小企業を狙うサプライチェーン攻撃が急増している。しかも、被害に遭った中小企業の約7割が、取引先の事業に影響を及ぼしているというのだ。
こうした脅威に対してどのようなセキュリティー設計を行うべきか。永吉氏は「現時点で、人間の手では絶対に太刀打ちできない未知の攻撃が頻発しているわけではない。攻撃者はAIを用いることで、既存の対策の穴を素早く見つけて大量に攻撃を仕掛けてきているので、私たちがすべきことはとてもシンプル。入り口を監視して、抜け穴ができたら塞ぐことだ」と話す。
この、入り口監視と抜け穴塞ぎを実現するには、二つの時間軸の対策を同時並行で回す必要がある。一つは、攻撃を水際で遮断する「入り口対策(Web Application Firewall、WAF)」、もう一つは、システム運用中に生じる脆弱性という抜け穴に対して先手を打って塞ぐ「内部対策(脆弱性管理)」だ。
サイバーセキュリティクラウドは、入り口の防御から内部の予防まで、一気通貫でサポートする製品と体制を持っており、今回、入り口対策と内部対策という両輪を回す二つのソリューションを紹介した。入り口対策では、累計2万サイト以上の導入実績を誇るクラウド型WAF「攻撃遮断くん」がある。これは、全ての通信を監視し、ボットやサイバー攻撃をリアルタイムで遮断する。内部対策では、脆弱性情報収集・管理ツール「SIDfm」がある。世界中で日々報告される膨大な脆弱性情報から、自社に関連する情報のみをピンポイントに抽出。優先順位付けして日本語で分かりやすく提示して可視化、対応進捗まで管理できるため運用工数を劇的に削減できる。
最後に永吉氏はSIerに向けて、「紹介した2製品は共に、マネージドサービスなどを提供している方々のサービス内に組み込みやすく、実際にオプションサービスとして多くのユーザーに提供されている。高い付加価値を提供するサービスとして、ぜひ、商材としての活用を検討してほしい」と語った。