6月5日のセッション3では、日本HPの川喜田一広氏が「AI時代の新セキュリティ~複数の壁でエンドポイントを守るHPのセキュリティ~」と題して講演。AIで高度化・高速化するサイバー攻撃の現状と、それに対抗する日本HPの最新エンドポイント対策を紹介した。
日本HP
パートナー営業統括 第四営業本部
ソリューションビジネス推進部 部長
川喜田 一広 氏
企業を脅かすサイバー攻撃は激化し、正規の認証情報を奪う「インフォスティーラー」の被害が深刻化している。AIの悪用により攻撃も巧妙かつ高速になり、自然な文面のフィッシングメールの作成だけでなく、侵入から横展開までの時間は平均30分弱にまで短縮した。
パッチ公開と同時にAIが攻撃プログラムを自動生成する現状に対し、川喜田氏は「攻撃者側もAIを使うことでコストも時間も削減できており、追いかけっこになってくる」と強い危機感を示した。
こうした状況下で、攻撃の最大の標的となるのがエンドポイントだ。ランサムウェア攻撃の7割以上がメールから始まり、人がだまされてしまう弱点を突いてくる。この動きに対し、従来のEDRなどの検知型防御では対応が追いつかない。攻撃者はセキュリティーソフトを無効化する技術も持っているので「侵入を前提とした防御は、限界にきている」と、既存の検知型対策の不備を指摘した。
この状況に対処するため、日本HPでは「検知に依存せずに守る」手法を既存の検知型防御を補完する形で提案しており、その中核になる技術が「HP Wolf Pro Security」や「HP Sure Click Enterprise」に含まれる「HP Sure Click」である。これは、ファイルやブラウザーをPC内の独立したマイクロ仮想環境で開く技術だ。未知のマルウェアが仕込まれていても仮想環境内での実行になるため、ホストOSに影響を及ぼさない。ファイルを閉じればマルウェアごと破棄される。
川喜田氏はこの利点を「そもそも感染させない」「なかったことにできる」と表現し、エンドポイントの安全性を根本から担保できる点を強調した。さらに、攻撃はBIOSなどの低レイヤーへも及んでいるが、日本HPの法人向けPCはハードウェアレベルの防御機能を標準搭載している。「HP Sure Start」は、BIOSの改ざんを自動検知して安全な状態に回復できる。
また、物理的な盗難によるデータ流出を防ぐため、CPUとTPM間の通信を暗号化する「HP TPM Guard」を備え、専用ツールによる暗号化鍵の物理的な窃取を無効化する。加えて、オフライン状態でも遠隔からPCの位置把握、ロック、ワイプ、データ消去が可能な「HP Protect & Trace with Wolf Connect」、さらに、IT管理者の運用を支援して、セキュリティーリスクを可視化できるSaaS型統合管理プラットフォーム「HP Workforce Experience Platform(WXP)」も提供している。
最後に、川喜田氏はAI時代には複数の壁の組み合わせによる対策が重要として、「上記の各製品の無償トライアルもおこなっているので、ぜひ、問い合わせしてほしい」と呼びかけた。