対象ユーザーは絞って開拓
──販社とのパートナーシップを深めるうえで、営業組織の強化も重要といえます。何か策は講じましたか。
青葉 新年度にあたる11月から組織変更を実施しました。SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)向けFCスイッチのOEM(相手ブランドによる製品供給)部門とチャネル部門の営業を統合しました。一つの部門に統合したのは、先ほどから申し上げているように、販売パートナーにFCスイッチとイーサネットスイッチの両方を売ってもらえるように促すことが目的です。
──販社網を形成し、ユーザー企業については、どのような領域を狙っているのですか。
青葉 DCをベースに、サービスプロバイダや官公庁、大学で需要を掘り起こしていきます。領域を絞って製品を提供していくことが案件を獲得するための近道だと判断しています。
──メーカーとのアライアンス強化は進めているのですか。
青葉 ユーザー企業に対してソリューションを提供していく点では、メーカーレベルでも協調関係を築かなければなりませんので、もちろん進めています。ニーズについていえば、DCの領域はサーバーとストレージ、ネットワークの仮想化ソリューションを求めています。ですので、仮想化ソフトの分野では、マイクロソフトさんやヴイエムウェアさんとのパートナーシップを組んでいます。また、サーバーやストレージのメーカーとは、FCスイッチ関連のOEM提供でパートナーシップを築いていますので、仮想化関連に関しても協業しています。
──09年、IT業界は非常に厳しい状況だったといわれています。どのように捉えていますか。
青葉 さまざまな話を聞くと、厳しい状況だったのではないですかね。当社に関しても良かったとはいえない。ただ、前年と比べて伸びましたので、決して悪くはなかった。これも、販売パートナーとの協調関係を強めることに力を注いだ成果だと認識しています。
──今年の状況はいかがですか。
青葉 現段階では、昨年に引き続いて厳しい景況感がありますが、後半には盛り上がってくるのではないでしょうか。実際、ユーザー企業のITに対する投資意欲は、徐々にですが高まってきています。ビジネス機会を逃さずに、販売パートナーとともに収益を伸ばしていくことに引き続き取り組んでいきます。
眼光紙背 ~取材を終えて~
青葉氏がファウンドリネットワークス社長だった時代に取材したことがある。ファウンドリのビジネススタイルは、同社の営業担当者が直接ユーザー企業のトップなどを訪れ、販社のビジネスにつなげる“ハイタッチ営業”をメインとしていたが、その時代に、「当社と販売パートナーの両方がメリットを受けられる仕組みを常に考えている」と話していたのが印象的だった。ブロケードコミュニケーションズシステムズは、ファウンドリとは営業スタイルが異なるものの、青葉氏の想いは変わっていない。むしろ、ブロケードのほうが販社を支援するビジネススタイルで、青葉氏の考え方に合っているといえそうだ。
シスコシステムズにも在籍し、チャネル・セールスに携わった経験がある。競合のビジネススタイルを知り、なおかつ競合の販社を把握している。「販売パートナーとの協調関係を強めることが最も重要」という言葉に、一段と重みを感じた。(郁)
プロフィール
青葉 雅和
(あおば まさかず)1984年、日本IBMに入社。10年間、SE(システム・エンジニア)として業務に従事する。94年、シスコシステムズに入社、システム・エンジニアリング部門、サービス・セールス&デリバリー部門、コマーシャル・セールス部門などを統括。08年、ファウンドリネットワークスジャパンの社長に就任、09年5月、統合にともないブロケードコミュニケーションズシステムズ社長に就任。現在に至る。
会社紹介
米ブロケードコミュニケーションズシステムズによる米ファウンドリネットワークスの買収が2008年末に完了、日本では09年5月から“新生ブロケード”として再スタートを切った。社長には、ファウンドリのトップだった青葉雅和氏が就任。青葉氏は、2011年まで販社網の形成に力を注ぐことをコンセプトとして掲げており、12年にトップシェアを維持するFCスイッチを含めたネットワーク関連業界で不動の地位を確保したい考え。