ネットワーク関連のビジネスを手がけるディアイティ。これまでの販売ありきのビジネススタイルから、コンサルティングを含めた提案型の営業に力を入れ、エンドユーザーの顔が見えるビジネスをつくり出すべく、体制を強化している。
ネットワークインテグレータとしての地位を確立
──セキュリティを含む「ネットワーク」を軸にビジネスを展開しているとのことですが、現在の事業の柱は?
下村 メルー・ネットワークスの無線LAN製品およびマカフィーのファイアウォール(FW)などをはじめとする当社が1次代理店になっているプロダクトの販売とコンサルティングなどを含めた「ネットワーク構築」のビジネスを主力としています。
そのほか、ディレクトリサービスである「ActiveDirectory」や統合管理システムの「System Center」など、マイクロソフト製品のみを活用した認証インフラ構築といった「ネットワークインテグレーション」と「研究開発型受託事業」があります。これら三つのビジネスが全売上高約25億円のうちの20億円超を占めています。
また、売り上げとしては三本柱には及びませんが、「セキュリティサービス事業」は当社の強みになっています。とくに最近、非常に注目されているのが、情報流出が起きた場合にPCやネットワークを解析し、その原因と流出経路を探っていく「フォレンジック」です。フォレンジックのスキルは国内トップクラスを誇ると自負しています。
──製品販売とそれにかかるネットワーク構築が主力ビジネスとのことですが、昨年から今年にかけて、新しい製品の導入には後ろ向きだったのではありませんか。
下村 そうですね、とくに昨年から今年初めにかけては、FWの買い替え需要が落ち込んだりしました。ただ、景況感としては多少回復の兆しをみせているように思います。無線LANに関しては新しい規格が次々とリリースされる発展途上の技術です。以前はセキュリティへの懸念、スピードが遅い、不安定、この3要素がネックとなってなかなか伸びませんでした。しかし、規格がリリースされるたびに、セキュリティが高まり、スピードは格段に上がり、安定した通信が見込めるようになりました。とくにiPadなどは無線LANがないと動きませんからね。最近の事例では、鹿児島県全域の県施設に無線LANを構築しました。いまや無線LANの利用は当たり前になってきています。でも、それで何の気なしに使っていると、情報漏えいなどの事故が起きてしまうのですが…(苦笑)。
──無線LANは、ファストフード店などにも導入されていますね。その一方で、FWなどについては、すでに市場が成熟しているとよく聞きます。
下村 最近マカフィーが力を入れている次世代FWでは社内から社外への通信も制御できるようになっています。まさにクラウド時代のFWとしてリプレース需要が見込めるので、来年の成長が期待できる製品です。
販売も大事ですが、当社はディストリビュータにとどまるのではなく、もっとネットワークインテグレータの地位を確立し、エンドユーザーとの距離を縮めていこうとしています。これまではまず販売ありきのコンサルティングだったわけですが、それを逆転させて、まずはコンサルティングがあって、顧客に最適なシステムを提案してから販売とネットワーク構築につなげていく「提案型」の営業にシフトしていく必要性を感じています。
[次のページ]