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テラデータのイメージを変えたい

日本テラデータ 代表取締役社長

大澤 毅

取材・文/大向琴音 撮影/馬場磨貴

2025/05/19 09:00

大澤 毅

週刊BCN 2025年05月19日vol.2059掲載

 2024年10月に日本テラデータの新社長に就任した大澤毅氏は「今までのテラデータのイメージを完全に変えたい」と意気込む。米Teradata(テラデータ)はデータウェアハウスの老舗ベンダーとして、データ分析プラットフォーム「Teradata Vantage」などを展開してきたが、加えて同社が今後の戦略の肝とするのがAIだ。新たにコンサルティングチームも新設する予定で、AIについて上流のコンサルティング部分から、提案、運用、実装、稼働まで一気通貫で提供できる体制を構築し、顧客への支援を強める姿勢を示した。
(取材/大向琴音  写真/馬場磨貴)

新たなコンサルチームを設置予定

――昨年の10月に新社長に就任されました。半年ほどかじ取りをしてきた中で、どのような会社だと感じられていますか。

 日本テラデータには、社歴が長い社員が多いです。もしかすると世間では、「日本テラデータってレガシーだね」や「時代遅れじゃないの」と言われているかもしれませんが、歴史があり、お客様のことを本当の意味で知っているからこそ、お客様に伴走できるメンバーがいるということです。

――直近のビジネスの状況を教えてください。

 現在、日本発で「Teradata Vantage AI Offering」をつくっており、かたちになりつつあります。お客様へのプレゼンテーションも進めているところですが、「今までのテラデータとの打ち合わせで今日が一番良かった」など、ポジティブな声や反応をいただいています。

 Vantage AI Offeringでは、AIコールセンターやデジタルマーケティング、“職人の暗黙知”を形式知化するAIのように、ユースケースごとのAIアプリケーションをあらかじめプリセットしています。さらに、当社はコンサルティング部門を持っているので、AIを使ってみたいと思えば、オールインワンで活用できるパッケージになっているのが特徴です。

 コンサルティング部門に関しては、新たなチームとして「AIインテグレーション&デリバリーチーム(Teradata AIID)」を設置する予定です。上流のコンサルティング部分から提案、運用、実装、稼働まで全て一気通貫でVantage AI Offeringをお客様に提供するチームです。日本企業がAI活用を全社レベルで大規模に推進できるよう支援します。

――提供していく体制がまさに整いつつあるというところですね。

 はい。これらを半年ほどで実現しているのは結構なスピード感だと思います。日本テラデータが一丸となって同じ方向を向いているということの表れです。24年12月の事業説明会では、各業界のAIドリブン経営をけん引する“キャプテン”を20社確立したいというお話をさせていただきました。まさにキャプテンになっていただけそうなお客様とのプロジェクトもスタートしていますので、「日本テラデータがAIにかじを切る」ことについては着実に進んできています。先ほども申し上げましたが、Vantage AI Offeringは日本発です。日本発でソリューショニングし日本のお客様に提供しますが、海外にもお届けする方針です。

――顧客からの引き合いはいかがですか。

 従来のデータの領域も、AIもどちらも引き合いが増えています。まさにAIの世界になってきている中、マーケットでもう一度注目を浴びているのがハイブリッドデータです。AIの世界になると、クラウドだけでなくオンプレミスのデータも必要ということです。

 日本を盛り上げるために、どの企業でもAIの必要性を感じているところではないでしょうか。そこでかぎとなるのが“産業データ”だと言われています。産業データというのは、企業の中に埋もれているデータです。例えば、先ほど例に挙げた暗黙知のデータをAIを使って形式知化するといったように、産業データをより有効活用することが日本の勝ち筋となると考えている企業は多いです。
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  • データとAIの両輪で取り組む
  • ハードウェアの販売パートナーが広がる

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外部リンク

日本テラデータ=https://www.teradata.jp/