ニュース

日本IBM IP電話とグループウェアの連携を実現 ノーツ上で音声メールの再生が可能に

2003/10/06 19:35

週刊BCN 2003年10月06日vol.1009掲載

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM、大歳卓麻社長)は、IP電話の音声メールを同社のグループウェア「Lotus Domino(ロータス・ドミノ)」の電子メールに統合して利用できるソフトウェア「Domino Unified Communications Service 1.2 for Cisco(DUCS)」を10月30日から出荷する。

 DUCSは、米シスコシステムズが発売する音声・メッセージング統合システム「Cisco Unity(シスコ・ユニティ)」と連携して、電子メールや音声メール、FAXなどの情報を一元管理する「ユニファイド・メッセージシステム」の環境を提供する。日本IBMは7月、NTTコミュニケーションズの企業向けIP電話サービスとも連携して同様のサービスを開始しており、大歳社長は、「IP分野については、市場優位性のある製品を選択して協業を進めていく」としている。

 IP電話とグループウェアを連携させるDUCSを使用することで、音声メールや音声メッセージを各自のNotes(ノーツ)クライアントで聞くことが可能になる。音声メールについては、ノーツが扱うデータ情報の1つとして認識されるため、送信者や件名ごとに検索ができるほか、「エージェント機能」を使いファイルの到着を機に他の業務と連携させる機能も加えている。

 ノーツで管理する音声メールは、DUCSを通してパソコンや携帯・固定電話などの端末から、電話メッセージにアクセスできる。また、ノートパソコンにファイルの複製を作成することで、オフラインの状態でも音声メッセージを検索して聴取できるため、コールセンターなどで録音された顧客の音声データを「生の声」として製品開発者などに届けることが容易になる。すでにNotes/Dominoを使用中のユーザーは、DUCSとシスコシステムズのIPコミュニケーション・ソリューションを付加するだけで導入が可能。DUCSは、同社および同社のパートナー企業でUFJ銀行系の情報システム会社、ユーフィットからも提供される。

 「IP関連では、システムインテグレーションを提供するパートナーを順次拡大していく」と、同社が進める「事業の選択と集中」に関する方針に即した展開であると強調する。DUCSの使用料金は、1プロセッサ当たり64万3500円(税別)から。

 ユニファイド・メッセージシステム製品は今年に入り、国内の沖電気工業や富士通、外資系の日本アバイアなどの通信大手や交換機メーカー数社から相次ぎ出荷されている。
  • 1