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日本IBM オンデマンド銀行システム提供へ ISVとの連携を強化

2003/12/22 19:39

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM、大歳卓麻社長)は来年末までに提供開始する「オンデマンド型」の次世代銀行ソリューション・サービスの概要を明らかにした。銀行のオンデマンドビジネスを実現する同サービスは、フロントエンドで金融機関のチャネル戦略を支援する「マルチチャネル・トランスメーショ(MCT)」、バックエンドでは勘定系の核部分に米製パッケージを採用し、新たな金融商品を開発するソリューション「次世代金融サービス・システム」を提供する。

 MCTは従来の営業店とATMのチャネルに加え、インターネットバンキングなど「リモート・チャネル」拡大に伴い複雑化するシステムの解消を目的に、「チャネル基盤統合プログラム」を提供。このシステムでは残高照会や振込など「業務のビジネスロジック」をシステム上で部品化し、それらを各銀行のサービスに適した組み合わせにすることができる。

 これにより、外部サービスや勘定系システムとの連動、CRM(顧客情報管理)データベースへのアクセスなどとも組み合わせた銀行独自の新サービスを構築しやすくなる。「銀行の顧客側から見て、要求にあった時にサービスが提供される『オンデマンド』の状況が実現する」(岡田正雄・金融システム事業部第四ソリューション営業部eビジネス担当営業部長)という。

 一方、次世代金融サービス・システムは、預金や融資の基幹系システムの構築に加え、勘定系の核に米フィディリティ・インフォメーション・サービスが提供するパッケージ「Corebank(コアバンク)」を採用。銀行内外のIT資産を活用しながら幅広い金融商品を開発できるようにした。「既存の勘定系システムと並存させ、新たな金融商品を実装できるのが特徴」(森田青志・同事業部第一ソリューション営業部部長)で、日本特有の口座振替や通帳などの機能も実装する。

 MCTは来年秋までに、次世代金融サービス・システムは来年末までに提供を開始する。同ソリューションサービスの提供で、従来CRMで行っていた処理が勘定系ででき、データ構造が「商品中心から顧客中心になる」(森田部長)という。
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