CRMベンダーの米セールスフォース・ドットコム(マーク・ベニオフ会長兼CEO)がアプリケーション・プラットフォーム「アップエクスチェンジ」を市場に投入し、オンデマンド・サービスの提供を強化した。同プラットフォームで、アプリケーションベンダー各社が提供するサービスのシームレス化を可能とし、同社の統合型CRMサービス「セールスフォース」の拡販にもつなげる。プラットフォームビジネスに踏み切ることで、ウェブ上でのオンデマンド・ビジネスが可能な“ビジネスウェブ”の確立を目指す。

 「アップエクスチェンジ」は、オンデマンド・アプリケーション・プラトフォームとして製品化したもので、システムベンダーなどが自社のアプリケーションソフトを、米セールスフォースのユーザー企業に対して公開したり販売することを可能とする。米セールスフォースでは、ワールドワイドで約1万8700社の顧客企業を獲得している。そのため、新規参入ベンダーにとっては同プラットフォーム上で動くようにソフトウェアをカスタマイズすることによって、拡販につなげることができるというわけだ。

 すでに世界で160種類以上、そのうち日本で20種類以上のアプリケーションを同プラットフォーム上で提供しているという。フィル・ロビンソンCMO(最高営業責任者)は、「2006年中には、1000種類以上のアプリケーションソフトを対応可能にすることを目指す」と意欲を燃やす。

 米セールスフォースにとっては、顧客企業に対してCRMサービスを提供することに加え、ERPをはじめ、電子署名やドキュメント管理など、さまざまなサービスを提供することが可能となる。ロビンソンCMOは、「コンシューマ市場では、『イーベイ』や『アイチューンズ』など、さまざまなサービスを提供する“場”が存在している。しかし、法人市場ではそういったものがなかった。ユーザー企業にとっては、1つのプラットフォームで多くのサービスを受けられることが業務効率化やビジネス拡大につながる」と指摘しており、「法人市場でプラットフォームを提供するという点では、アップエクスチェンジが世界初の製品になる」と強調する。

 同社は、05年度(06年1月期)第3四半期の売上高が前年同期比78%増の8270万米ドル(日本円で約98億3900万円)と好調に伸びている。この背景には、統合型CRMサービス「セールスフォース」の導入企業が前年同期比で50%増の水準で推移しているなど、顧客の増大が寄与している事実がある。ロビンソンCMOは、「今後も、CRMサービスが導入企業を増やすためのキラーアプリケーションであることに変わりがない」とアピール。加えて、「アップエクスチェンジをベースに、ウェブ上でのオンデマンド・ビジネスを実現する“ビジネスウェブ”の推進を図っていく」ことで新規顧客の開拓を加速する方針だ。