日本アイ・ビー・エム(日本IBM、大歳卓麻社長)は、ビジネスパソコンの脱ウィンドウズ化を加速させる。グループウェアのロータスノーツ/ドミノの新戦略として、リナックスなどウィンドウズ以外の基本ソフト(OS)でも動作可能なクライアント用の新しいアーキテクチャを投入する。来年末までに現ノーツユーザーの約1割の移行を目指す。ライセンス料の低減やセキュリティの強化、運用コストの削減などのメリットを訴求する。

 クライアント用の新アーキテクチャの開発コード名は「ハノーバー」で、来年第1四半期(07年1-3月期)をめどに完成させる。これまで主にウィンドウズ上で動作していたノーツを、オープンソースソフト(OSS)をベースとしたクライアント用ミドルウェア「ワークプレイスマネージドクライアント(WMC)」上に移植させる。WMCはリナックスなどにも対応しているためユーザーはウィンドウズ以外のOSも選択可能になる。

 国内に約1200万ユーザーを抱える有力グループウェアのノーツをWMCと実質的に統合させることで、日本IBMのWMCを軸とするクライアント戦略は大きく加速するものと見られる。

 現状のビジネスパソコンは、ウィンドウズ以外のOSを選択する余地が少ないことが、「ライセンス料などのコストが割高になる原因」(澤田千尋・ソフトウェア事業ロータス事業部事業部長)とされてきた。ハノーバーで脱ウィンドウズの道を提示し、OSSをベースとしたIBMプラットフォームへの移行を促進する。

 WMC上にはノーツ以外にも様々なJava系の業務アプリケーションを揃える。すでに国内の10社ほどのISV(独立系ソフト開発ベンダー)が開発を表明しており、一部はすでに開発に着手、完成している。今年度(06年12月期)末までにはISV数を倍増させることで品揃えを強化する。WMC上で動作するアプリケーションはハノーバーでも動作する。なお、ノーツ上で動作するアプリケーションについても従来通り動き、ソフト資産の継承も可能だという。

 2008年中にはハノーバーと連携して動くサーバー側のアーキテクチャも刷新する。ノーツおよびWMCのサーバー側の仕組みは現在別々で動作しているが、これを統合することで、よりシンプルな構造にする。ノーツとWMCを中心としたIBMならではのクライアント・サーバー環境を実現することで、08年末までには半数近いノーツユーザーの新アーキテクチャへの移行を見込む。