PCケースメーカーの米Antecが法人向けビジネスの拡大を図る。SIerに対して、PCケースで顧客ニーズに適したホワイトボックスの開発が可能なことを訴え、販売代理店として獲得する方針だ。中小SIerとの販売代理店契約が進んでおり、まずは顧客企業としてSMB(中堅・中小企業)を対象とする。将来的には、大企業向けにシステムを提供するSIerも獲得したい意向。

 同社が法人向けビジネスの拡大に踏み切ったのは、ユーザー企業がパソコンを低価格で導入する傾向がますます高まっているため。スコット・リチャーズ上級副社長は、「SIerは、パソコンメーカーの製品を仕入れるよりも、ホワイトボックスで提供したほうが顧客ニーズに合ったパソコンを提供でき、しかもコスト削減につながると認識し始めている」とみている。

 近く複数の中小SIerと販売代理店契約を予定しており、「まずはSMBに対してPCケースを拡販する体制が整った」という。

 大規模SIerを代理店として獲得することにも力を入れ、「大型システム案件で当社のPCケースが採用されることにもつなげたい」考えだ。

 一方、主力の個人向け市場では台湾のパーツメーカーを中心に低価格化が進んでおり、「他社のシェアを奪っていきたいが、利益の確保が最優先のため、低価格では提供できない。価格競争が激しい個人向け市場でシェア拡大を狙うよりも、法人向け市場で新規顧客を増やすほうが収益が高まると判断した」という。

 日本では、SIerがPCケースを活用してホワイトボックスを開発する傾向は低い。しかし、組立パソコン用パーツ専門店がSOHO向けにPCケースの活用でホワイトボックスを提供する動きもあるため、法人向けPCケースの販売が活性化するとの見方もある。

 パーツ流通業者のリンクスインターナショナルでは、「高性能のPCケースであれば、ホワイトボックスを開発しやすい。今後は、日本でSIerにPCケースを提供する可能性もあるのではないか」(関係者)とみている。そのため、同社は法人市場関連部署の強化を進めており、PCケースの売上高をSIerへの提供も含め1か月平均で1億円規模を目指している。