日本IBMは、SAPのERP(統合基幹業務システム)をオンデマンド方式で提供するサービスを国内で始めた。米国では2005年から始めているもので、すでに世界で170社余りが利用しているという。国内ではSAPのみに限定したサービスだが、米国ではオラクルなど他の業務アプリケーションにも対応したサービスに拡充している。セールスフォース・ドットコムがオンデマンド方式のCRM(顧客情報管理システム)で業績を伸ばすなか、ERPなど他の業務アプリケーションでもオンデマンド化が加速しそうだ。

 オンデマンド方式は従来型のホスティングサービスと異なり、ユーザーが新たにハードウェアやネットワーク機器を購入する必要がない。今回の日本IBMのケースでも、SAPのライセンスはユーザーが自前で購入する必要があるが、ハードウェアなどインフラ回りは事前に日本IBMが用意する。このインフラを月額料金で利用するもので、契約から稼働までの期間は最短3週間と短いのが特徴。カスタマイズやバックアップサービスなどのオプションサービスも揃えた。月額料金は最小構成で220万円から。

 国内ではすでに先行して1社から受注を獲得しており、年内には10社程度まで増やしていく目標を立てる。「顧客が自前でSAPを導入するより、運用にかかるコストを最大で半分まで下げられる」(平手智行・執行役員アウトソーシング・セールス事業担当)とコストメリットを強調する。IBMグループではサーバーなどのインフラを北米に集約し、これをインド在住のエンジニアが遠隔操作で運用するなど、グローバル規模のネットワークを生かすことでコスト削減を実現しているという。国内でSAP以外の業務アプリケーションに今後対応するかどうかは未定。