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SOBAプロジェクト ウェブ会議システムのAPIを公開 ビジュアルコミュニケーション主流に

2007/07/02 21:42

週刊BCN 2007年07月02日vol.1193掲載

 産学官の連携で設立されたソフト開発ベンチャー企業のSOBAプロジェクト(緒方敏博社長)は、ウェブ会議システムの構築や利用が可能な「SOBA Web API Ver.1.0」の提供を開始した。個人や企業などがウェブを通じて映像や音声を使った“ビジュアルコミュニケーション”を活発化させることが狙いだ。

 SOBAプロジェクトが提供するAPI(Application Programming Interface)は、同社のASP型ウェブ会議システム「SOBA mieruka(ソーバ・ミエルカ)」の機能を、ベンダーが提供するグループウェアやブログ、SNSなどで活用できるというものだ。同社では、ウェブサイト作成やECサイト運営などの開発者がAPIを使って製品・サービスを提供するほか、個人ユーザーが映像と音声でコミュニケーションを図るために利用するとみている。

 実際に同APIを利用して製品・サービスの提供を開始する例が出ている。システム開発系SIerのシステムYAMATO(大和恒夫代表取締役)では、出版業界向けに製品・サービスを開発。版元や書店などが参加者限定の打ち合わせに利用するほか、参加者無制限のコミュニケーションが図れるという。同社では、7月にテスト運用、9月に本格提供を計画している。料金は、1端末あたりの利用で月額1万5000円程度をめどとする。大和代表取締役は、「3年間で15社程度が導入すれば採算が合う」と試算する。

 年内には、家庭教師が生徒と個別講習できるサービスの提供も計画。「海外の大学生は、家庭教師の仕事をしたくても、地域によっては環境が整っていないケースもある。また、見知らぬ人物を自宅に入れたくない家庭もあることから、大学生が家庭教師の登録をしても生徒が少ないために斡旋先を紹介してもらえないこともある。こうした問題を解決するツールとしてサービスを提供していきたい」考えを示す。

 APIを利用するには、ユーザー登録が必要となる。SOBAプロジェクトでは、LAN内での限定で90日間の2ユーザーアカウントを無料で提供する。インターネット経由での音声や映像のコミュニケーション市場はユーザーの関心は高いものの、伸びが鈍い。開発費がかさむことから、ユーザーへの提供価格が高くなってしまうことが原因のようだ。APIの公開で、ベンダーが低額でサービスを提供できるようになれば、需要が急激に拡大する可能性がある。
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