SIerのコア(井手祥司社長)の超高感度GPS(地球測位システム)チップ開発事業が軌道に乗り始めた。台湾の半導体開発メーカー・サンプラステクノロジー(黄洲杰CEO)が製品化を決定し、来年第1四半期(1-3月期)にも量産を開始する。モータリゼーションが急速に進む中国市場では、安価で高性能なカーナビゲーションシステム需要が高まっている。サンプラステクノロジーはまずこの分野でのGPSチップの売り込みに力を入れる。

 GPSチップは、GPS技術開発のマゼランシステムズジャパン(岸本信弘社長)と共同開発してきたもの。自ら半導体の生産は行わず、知的財産ライセンスを半導体メーカーに供与することで収益を得るビジネスモデルとなっている。2005年7月の事業開始から2年半余り、サンプラステクノロジーというパートナーを得てようやく量産のめどがついた。

 コアのGPSアルゴリズムは大きく分けて2種類。GPSチップ単体で測位する方法と、通信ネットワークを経由して位置情報を補完することで、GPS衛星の電波が届きにくい屋内でも測位できる方法だ。サンプラスが契約したのは仕組みが比較的簡単な前者。当初は通信ネットワークを利用しやすい携帯電話向けの組み込みGPS用に後者の情報補完方式の需要を見込んでいた。

 だが、高機能な携帯電話の開発を得意とする日本メーカーがグローバルでのシェアをなかなか高められないことなどが影響し、「まずはチップ単体で利用できる範囲で市場を開拓する」(井手社長)ことに戦略を変更。補完情報なしでも従来のGPSチップアルゴリズムに比べて高感度で、商機があると判断した。今後は情報補完方式の量産化の道筋をどうつけていくのかが課題だ。

 コアでは10年度(11年3月期)までにGPSチップ関連で年間8億円程度の知財ライセンスの売り上げを目指す。