ネットワンシステムズ(吉野孝行社長)は、クレジットカード情報を扱うセキュリティ基準「PCI DSS(ペイメント・カード・インダストリー・データ・セキュリティ・スタンダード)」関連事業に着手、適用企業以外にもニーズがあることから、コンサルティングサービスの本格化に踏み切った。コンサルティング要員を増員するほか、コンサルティング会社とのアライアンスを進めており、引き合い案件への対応を急ぐ。

 「PCI DSS」は、クレジットカード情報や取引情報の安全な管理を目的に2004年12月に策定されたクレジットカード業界のセキュリティ基準だ。ネットワンでは営業推進グループ内にコンサルタントを擁するセキュリティ事業推進本部を設置しており、PCI DSSを適用しなければならない金融機関やクレジットカード会社、流通業者などを対象にコンサルティングサービスを提供している。

 ところが、最近になってより客観的なセキュリティ基準としてPCI DSSが国内市場で認識され始めており、適用する必要のない企業からも引き合いがきているという。山崎文明・セキュリティ事業推進本部長は、「J-SOX法による内部統制対策の観点から注目を集めているようだ。今年に入ってから、上場企業を中心に26件の依頼があった」と、ビジネスが思わぬところで拡大中であることを実感している。

 課題はコンサルタント要員が足りないこと。現在のところ20人ほどの体制という。そのため、寄せられた引き合いのうち、「対応できているのは5件程度」と打ち明ける。ビジネス拡大に向けてコンサルタントを増員することはもちろんだが、「一気に拡大路線を敷くために、コンサルティング会社とのアライアンスを進めている」としている。

 一般オフィスでの適用ニーズが出てきていることから、同社ではPCI DSSを“EDSS(エンタープライズ・データセキュリティ・スタンダード)”と呼ぶようにし、コンサルティングサービスの拡大を図っている。それらの事例が増えた段階で、地方の有力SIerなどITベンダーとの協業も視野に入れており、「サービスモデルをパッケージ化して販売パートナーに提供するといったビジネスモデルも模索したい」考えを示す。これは、「SMB(中堅・中小企業)市場でのコンサルティング案件の広がりが、3年後に出てくる可能性を秘めている」と判断しているためだ。