米アダプテック(スンディ・スンドラッシュ社長兼CEO)は、消費電力の削減を意識したファームウェアを開発し、「インテリジェント・パワー・マネージメント機能」の名称で提供開始した。新製品に標準搭載するほか、既存製品のアップグレードも可能。成熟しつつあるRAIDコントローラ市場を次の領域に進めることで、さらに自社ビジネスの拡大を図る方針だ。

 「インテリジェント・パワー・マネージメント機能」は、ストレージ製品のHDD処理能力を維持しながら消費電力をこれまでと比べて最大70%まで削減可能とするもの。なかでも、電源オフ状態や“アイドルモード”と呼ばれる待機状態で効果を発揮する。ワールドワイドのマーケティングディレクターを務めるスラッシュ・パニカー氏は、「ハードディスクからディスクへのバックアップをはじめ、eメールのアーカイビング、プリンタ用サーバーなどは、一般的に“アイドルモード”の時間が長いといわれている。こうした作業の多いケースには最適」と説明する。

 今回の機能を開発したのは、環境やエネルギー確保を視野に入れたコンセプト“グリーンIT”が叫ばれていることが要因で、「コントローラレベルで消費電力の削減をさらに意識しなければならないと判断した」という。これまでも、消費電力の削減を追求した機能開発には力を注いできており「OEMメーカーをはじめSIerやシステムビルダーなど、当社製品のビジネスパートナーの要望を具現化した」とアピールしている。ユーザーとして手が挙がっているのは、現段階でデータセンターなど大規模システムを導入する企業が多いが「HDDの活用は、大企業に限ったことではない。近い将来には、SMB(中堅・中小企業)でもニーズが高まってくるだろう」とみている。

 提供形態については、新製品のRAIDに搭載するほか、ダウンロードなどで既存製品をアップグレードすることも可能。管理ソフト「Adaptec Storage Manager」を導入する必要はあるが、「インテリジェント・パワー・マネージメント機能」自体は価格を無償とした。これは、「RAIDのマーケット領域を広げることが目的」としている。というのも、ここ数年、RAID市場の伸びが鈍化しているからだという。

 RAIDを主力事業とする同社は、次のステップに進むことで一気に業績を拡大することのほかに、マーケットでの確固たる地位を築くことを最大の狙いとしている。