住商情報システム(安部康行社長)は人材育成の一環として、社内FA(フリーエージェント)制度を開始した。同社は、個人が自らの意思でキャリアを選択しながら進んでいけるよう、さまざまな教育体制の整備を行っている。そのひとつとして、2006年には事業部ごとに欲しい人材の要件を提示し、募集する公募制をスタートさせた。現在では全社的に浸透し、年間平均20~30人が利用している。

 社内FA制度は今年1月に新設して募集したが、2月中旬時点で数人が手を挙げているという。

 公募制、FA制度ともに、部署の枠にとらわれず、個人が自主的に応募できるもので、所属部署の上長に拒否権が発生しないのが特徴。FA制度の利用者が自分の人材情報を公開したい部署にのみ、情報を流すことが可能だ。情報を公開した部署で、引き合いがあればマッチングを行い、異動の可否が決定する仕組みになっている。

 「公募制にしろ、FA制度にしろ、各部署が欲しいスキルのスペックなどが決まっているため、望みの部署に異動できるかどうかは制限されている部分もある」(中谷光一郎・執行役員 総務人事グループ長 人事部長)という。

 また、課長、部長クラスを対象としたマネジャー研修も併せて行うことで、「部署の長はどうしても優秀な人材を抱え込もうとする傾向がある。数字を挙げることだけが仕事と考えがちな意識から、上長の一番の大きな仕事は部下の力を引き出して生かすための『人材育成』であるという考え方にシフトさせたい」(中谷執行役員)としている。

 FA制度は今年開始したばかりの制度であるため、社員にこの制度の認知向上を図っていきたいとしている。(鍋島蓉子)