米国のタッチパネル製造メーカーElo TouchSystemsの日本法人、タッチパネル・システムズ(山上英彦社長)は、コンシューマ向け製品へのタッチパネル供給に参入した。そのパネル供給で培った新技術などを将来的に産業用タッチパネルに応用することで、性能向上を目指すことを視野に入れる。同社はコンシューマ向け製品において2011年、グローバルで100億円の売り上げ目標を立てている。

 タッチパネル・システムズは9月にハンドヘルド/モバイル機器用のタッチパネルを販売開始した。また、グローバルでコンシューマビジネスを主導する部隊「コンシューマビジネスグループ」を発足。コンシューマ向け製品は、企画・設計、製造や販売がグローバル規模で行われていることが多いため、同社もグローバル規模で部隊を立ち上げることでワールドワイドでの案件獲得を目指す。

黒木浩 応用技術部部長

 タッチパネル・システムズは創業から20年間、医療用や工業用機器用途など、一貫して産業向けのタッチパネル供給を主軸に事業を展開してきた。一方で、先日発売されたWindows7でのタッチパネル対応機能やスマートフォン、デジタルオーディオプレーヤー、デジタルカメラ、ゲーム機など、最近ではコンシューマ向け製品でタッチパネル搭載が進んでいる。タッチパネルの用途が広がり、市場のボリュームも大きくなってきたことから、コンシューマ向け製品に対して供給を開始した。同社営業本部 製品企画部の追谷武寿部長は「コンシューマ向けと産業向けは性質が異なり、コンシューマ向け製品ではまず物量が非常に多い一方、価格が安く、またライフサイクルも短い。参入にあたっては技術面も含め2~3年準備期間を要した」と話す。

 コンシューマ向け製品はライフサイクルが短い半面、新技術が登場するスピードが早まっている。この分野でタッチパネル採用の幅が広がることによって「安い価格で提供している技術でも、同じ価格でより性能を高めていける環境がある。産業向けも引き続き力を入れるが、このままでは競合他社にシェアを食われる可能性もあり得る。両輪を回し、コンシューマ向けの技術を産業向けに応用することで性能向上を図ることが可能になる」(技術開発本部 応用技術部の黒木浩部長)とメリットを挙げる。

 現在は大手PCメーカーや、その製品を実際に製造している海外の製造工場などに、独自開発の「音響波照合方式(APR)」のほか「4線式抵抗膜方式」「静電容量方式」など、さまざまな技術方式を用途に合わせて提案している最中だ。コンシューマ市場では後発だが「他社がもっていない技術を糧に、主に完成品を提供するメーカーなどにオファーを進めていきたい」(追谷部長)と意気込む。(鍋島蓉子)