ネットワーク関連製品のディストリビュータであるネットワールド(森田晶一社長)では、H3Cテクノロジー製スイッチの販売が好調だ。官公庁を中心として、いくつか大きな案件を獲得。昨年度はH3C製品の販売が前年と比べて1.5倍に膨らんだという。

官公庁を中心に大規模案件を獲得

荻上照夫
グループマネージャー
 H3C製スイッチは、これまで中国ブランドというイメージが邪魔をして導入の壁が高かったものの、他社製品よりリーズナブルで、しかも故障がほとんどなかったことから売れ行きが好転。荻上照夫・マーケティング1部アクセス・ネットワークグループマネージャーは、「導入した顧客から製品の良さが口コミで伝わったことで、複数の大きな案件を獲得することにつながった」としている。

 案件を獲得するケースが多かったのは官公庁で、「市役所を中心に導入した」という。市役所では、IT投資への予算が少なくなったものの、スイッチなどネットワークインフラなどをリプレースしなければならない必要性から、コストメリットの大きい製品を選択する気運が高まっている。最近では、スイッチの機能性がどのメーカーも大差がなくなりつつある。そのなかで、他社と比べて故障率が低いという点が受け入れられたようだ。

 H3C製品は、複数台のスイッチを接続して全体で一つのネットワーク機器として使える「スタッキング」に適していることが特徴。そのため、案件規模が大きくなるケースが多かったという。販売台数については、昨年度に1000台程度を達成した。

 国内スイッチ市場は成熟したとの見方が強いものの、同社では「確かに、今後もポート数が増える見込みは薄い。しかし、10GbpsやIPv6など、これまで導入ケースが少なかった技術の良さをユーザー企業が再認識し、リプレース需要が出てくるはず。決して悲観的な状況ではない」とみている。新しい技術への対応をいかに迅速に行っていけるかがカギを握るわけだ。同社は新技術に対する検証にいち早く取り組むなど、他社に先行することに力を注いでいる。しかも、「販売パートナーとともに販売を増やしていく」と、地場SIerなど全国にわたる販社を通じてビジネス拡大を図る考えを示している。H3C製品の販売に関しては、「今年度に入ってからも勢いが衰えていない」ことから、さらにビジネス規模が大きくなるチャンスがありそうだ。

 国内ネットワーク関連機器市場では、これまでワールドワイドでトップメーカーとして名を馳せているシスコシステムズのシェアが高かった。ところが、H3C製品の機能面や価格面をユーザー企業が認めつつあり、ここにきて勢力図が変わる可能性を秘めている。実際、リプレース需要の多くはシスコ製品を導入しており、H3C製品に乗り換えるという構図が浮かび上がっている。国内市場で、再び激しい競争が繰り広げられる様相を示しているといえそうだ。(佐相彰彦)