三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS、門脇三雄社長)が開発・提供しているFAX OCR(FAX自動認識技術)システム「MELFOS(メルフォス)」をSaaS化した「MELFOS on Demand(メルフォスオンデマンド)」(10月1日に提供開始)に対する市場の期待が高まっている。このところ、インターネット経由での受発注業務が主流になっているものの、FAXも受発注業務の重要なツールとして需要が高く、また勤怠管理でもFAXが利用されていることから、引き合いが伸びている。

勤怠の集計など幅広い業務で利用

柏木満宏課長
 MDISは、FAXで送付されてきた手書き文書の文字を判別し、自動で電子データに変換するFAX OCRシステム「MELFOS」を販売している。このシステムは、斜めになった文字やカスレ文字も判別できるほどの処理性能をもっており、年商500億円以上の食品製造業などを中心に、化粧品メーカーや健康食品メーカーなど200ユーザーへの納入実績がある。カード申し込み、商品受発注、資材見積もり、勤怠データ集計など、幅広い用途で利用されている。

 昨今はインターネットで受発注などの業務を行うことが主流となっているが、FAX OCRの市場は、システムを刷新することができないユーザー企業が存在することや、一般世帯のFAX普及率が53.9%と高いことから、一定の市場規模を維持し続けている。

 従来、「MELFOS」を導入する場合、最小構成でも1000万円ほどの初期費用がかかるため、導入先は大規模ユーザーに限られていた。また、「なかには常時FAXを利用しているわけではなく、業務の関係で日によって業務量が増減するユーザー企業も存在する」(流通・ネットワーク営業部 ネットワークソリューション営業課の柏木満宏課長)ことから、自社でシステムをもたず、初期投資を抑えたうえで、いつでも使いたいときに使うことができるSaaS型の「MELFOS on Demand」の提供を開始した。

 「MELFOS on Demand」はSaaS型のサービスで、回線数2回線まで月額3万9900円、FAX送受信サービスは1枚当たり26円(ともに税込)の従量課金制で、低価格を実現した。これにより、ユーザー企業はコスト削減できるだけでなく、常に最新の技術を利用することができるようになった。ただし、ハウジングサーバー設定費用や、帳票設計などのカスタマイズ料金は別途かかる。

 MDISでは、これまで費用的に見合わないために成約できなかった年商200億円前後の食品製造、流通など幅広い業種で、1日100件以上のFAX利用がある企業をターゲットとしてアプローチを進めていく。当面は直販だが、代理店とともに提案する体制を模索している。すでに有望見込み客に対して、営業を開始。早期契約特典として、初期費用3万9900円を半額にするキャンペーンを展開中だ。「MELFOS on Demand」は10月1日から提供を開始し、2013年度までに300契約の目標を立てている。(鍋島蓉子)