有力SIerのサイオステクノロジー(喜多伸夫)が受託開発したマネックス証券(松本大CEO)の資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β(マネックス ビジョン ベータ)」が好調だ。「MONEX VISION β」を活用した資産設計アドバイスサービスは、10月1日の本稼働後、約1週間で1万人のユーザーを獲得。マネックス証券の飯田敦・先進サービス企画室長は、「開発当初に計画していた目標数値を稼働早々に達成した」と顔をほころばせる。

 成功の背景には、サイオスが提案したアジャイル開発の手法がある。明確な仕様を決めず、サービス内容の設計を優先して開発を進める方法だ。一般的にSIは仕様を決めてから開発を行うので、開発に入った後の仕様変更は難しい。両社はアジャイル手法で開発した初期バージョンの「β1版」を2010年1月に公開。ユーザーの反応を観察した。その後、3月に「β2」を公開してモニター利用者数を約1000人まで拡大している。段階的にユーザーの意見を採り入れながら、「その都度、仕様を決めてプロトタイプを開発するサイクルを回し続けた」(サイオステクノロジーの栗原傑享・執行役員)ことが、ユーザーニーズを満たしたシステム開発を実現し、本稼働後のユーザー獲得につながった。 

「MONEX VISION β」プロジェクトの中心メンバー。写真右からマネックス証券の堀内健后・先進サービス企画室マネジャー、飯田敦・同室長、サイオステクノロジーの平松寛司テクニカル・スペシャリスト、栗原傑享・執行役員

 サイオステクノロジーは、OSやウェブアプリケーション、データベースなどにオープンソースソフト(OSS)を積極的に活用。同社はOSSを活用したSIに長けており、過去にもOSS活用型のSI事例で、非OSSモデルと比べて「初期コストを8割減、運用コストを4割削減してきた実績」(サイオステクノロジーの平松寛司テクニカル・スペシャリスト)がある。今回のマネックス証券の事例でも「同様の初期コスト、運用コストの削減を期待している」(マネックス証券の堀内健后・先進サービス企画室マネジャー)と、コスト低減にも貢献している。

マネックス証券の資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」メイン画面(イメージ)