【西安発】中国最大手のERPベンダー「用友グループ」のSIer、北京瑞友科技(瑞友、高岩副総裁)は、中国の西部地域でのソフト開発やSIビジネスの拡充を目指す。瑞友の西安拠点には、NTTデータとの合弁会社である西安瑞恩軟件工程(瑞恩)が本社を置く。金融をはじめとする業種ノウハウやIT基盤技術に長けたNTTデータとも連携し、大幅な経済発展が見込める西部地域での事業を伸ばしていく方針だ。

高岩副総裁
 北京瑞友科技は、内陸部の西安でNTTデータと合弁事業を手がけ、沿岸部の上海ではSIerのフューチャーアーキテクトと主に流通業分野での合弁・協業を進めるなど、日系SIerとの関係が深い企業である。その瑞友が重視しているのが、西部地域へのソフト製造工程の移行と、西部再開発をターゲットとしたSIビジネス拡大だ。沿岸部のIT人材の逼迫と、中国政府が西部再開発に向けて重点的に投資を行っていることが背景にある。

 直近の人員配置は、北京本社が最も多い1000人で、上海が200人、西安は100人などで、グループ全体ではおよそ1500人規模。将来的に、2000~3000人と人員を拡充させていく過程で、「ソフト開発の製造工程は、基本的に西安へ集約していく」(高副総裁)と、人的リソースが豊富で生産コストも比較的安定している西部地域に開発拠点を段階的に移していく。NTTデータも、瑞友との合弁会社の瑞恩を通じてオフショアソフト開発を委託している。

 また、西部再開発に伴うSI需要が急増していることを踏まえ、NTTデータなど「ビジネスパートナーとの連携もより深めていく」と、業種や基盤系のノウハウを協業によって得ていく意向を示す。例えば、日本の地銀や農協に相当する地場の金融機関が高度IT化を急いでおり、かつ金融商品の多様化にも取り組んでいる。一方、NTTデータは日本の地銀システムの共同利用で豊富な実績をもち、セキュアなIT基盤にも強いことから、「西部地域の金融業で、NTTデータのノウハウを積極的に活用したい」と、ビジネスパートナーであるNTTデータとの連携強化を推進する。

 瑞友の今期(2010年12月期)売上高は、中国情報サービス市場全体の伸びとほぼ同様の約25%増を見込む。中国国内のSIビジネスは好調だが、日本からのオフショア開発が伸び悩んだことから、「市場の伸びを大幅に超えるのは難しい」見込みだ。日本国内の不況が足を引っ張る状況で、日中のSIビジネスの対照的な様相を浮き彫りにしている。(安藤章司)