米シマンテックのエンリケ・セーラムCEOが11月30日に来日し、シマンテックのビジョンについて説明した。また、当日は日本法人代表の河村浩明社長が富士通との戦略的協業について語った。

米シマンテックのエンリケ・セーラムCEO

 セーラムCEOは、シマンテックの考える市場の八つのキートレンド――コンシューマ化、IT化、モバイル、ソーシャル、仮想化、クラウド、データの増加、脅威の現状――を挙げながら、将来のビジネス像を予測。それを実現するために、シマンテックが提供するソリューションを説明した。要旨は以下の通り。

 企業向けITのコンシューマ化が進むなか、コンシューマデバイスの管理が必要になっている。モバイル端末は将来的に100億台がインターネットに接続すると予測されている。さらに、企業コミュニケーションが電子メールからソーシャルメディアに変わることで、コラボレーションで競合優位性を見出す時代が訪れている。また、仮想化・クラウドが進展し、非構造化データの爆発的な伸びによって、ストレージは2014年までに400%増が見込まれる。

 技術の進化によって、将来はすべて「人」と「情報」が中心になる。デバイス、アプリケーションは重要ではなくなる。ビジネスと個人利用のデジタル機器が融合し、ビジネスの端末からはプライベートの情報、プライベートの端末からはビジネスの情報を相互に見ることができる時代が訪れる。また、どこにいても、人が安全に情報にアクセスすることができるようになり、企業の拡張性とコスト効果がさらに高まる。

 シマンテックは、これを実現する技術として、本人であることを証明するための「個人認証セキュリティ」や暗号化による「デバイスセキュリティ」、リカバリや高いセキュリティを担保する「情報の保護」、爆発的に増える情報を効果的に分類・管理する「前後関係と関連性」「クラウド」という五つの要素を提供している。

 今後、ITには新しいアプローチが必要になる。人がどこにいるか、誰がその情報をつくったのか、誰がアクセスできるのかなどの属性を作成し、管理する新しいアプローチをさまざまな製品がとるようになり、それが既存インフラで動作するようになる。

 シマンテックは、「人」「情報」が中心になるなかで、人がセキュリティが担保された状態でデータを利用し、そして復旧できるようにするといった「信頼」を提供していく――。

河村浩明社長

 セーラムCEOに続いて、河村社長が富士通との戦略的提携を説明。シマンテックは、今年2月に富士通とグローバルでの戦略的パートナーシップを締結。11月30日には、シマンテックのバックアップソフトウェア「Backup Exec」特別版を富士通のPCサーバー「PRIMERGY」に標準搭載した「Backup Exec Suite for PRIMERGY」(富士通の製品名:Backup Exec for PRIMERGY)のキャンペーン販売を開始したことを報告した。

 また、デスクトップ、サーバー向け保護ソリューション「Symantec Endpoint Protection」が、富士通が顧客向けに提供する従量課金制のパブリック型クラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」に採用されたことを発表した。

 河村社長は、「シマンテックは、バックアップソフトウェアなどを統合したオールインワンソリューションの展開を通じて、富士通とともにSMB市場開拓を積極的に行っていく」として、「富士通の世界展開の第一歩を一緒に取り組んでいきたい」と力強く語った。(鍋島蓉子)