データセンターを活用したITサービス販売などのNTTPCコミュニケーションズ(井上裕生社長)は、ホスティングサービス「WebARENA CLOUD 9」を発売した。中堅・中小企業(SMB)を主要ターゲットにしたサービスで、フェイルオーバーやマイグレーションなど高度な機能を搭載しながら価格を抑え、初期費用5250円、月額基本料金4800円(最小構成)に設定したことが特徴。ホスティングやハウジングなどのDCを活用したITサービスに強い同社が、クラウドをうたい文句にSMB市場開拓に本腰を入れる。

平林実データセンタ事業部長
 「WebARENA CLOUD 9」は、サーバーの処理力・機能をネットワークを経由して提供する「ホスティング」と呼ばれるサービスの一つ。ウェブやFTPなど主要なサーバー機能を搭載し、サーバーが故障した場合や通常よりも負荷をかけた時に他のサーバーに自動移行して、ダウンタイム(システムが停止している時間)を短縮できるフェイルオーバー、マイグレーションという機能もあわせもつ。OSにはオープンソースソフト(OSS)のCentOSを活用した。

 初期費用5250円、月額利用料金はディスク容量50GBで、メモリ1GB、CPU1コア共有の構成で4800円。ディスク容量やCPU、メモリを追加したい場合、容量や処理能力に合わせて詳細な追加メニューも用意した。「この値付けで『WebARENA CLOUD 9』と同様の機能を備えている類似サービスはない」(會田哲生・データセンタ事業部技術開発部サーバプラットフォーム担当課長)。2011年春にはバックアップ・リストア機能など3種類、同年秋には負荷分散機能など3種類を追加する予定で、順次メニューを増やしていく。

會田哲生担当課長
 サービスを提供するインフラについては、NTTPCコミュニケーションズと同じNTTコミュニケーションズグループで、クラウド基盤を運営する米べリオと連携することで整備した。インフラは米国製のものを活用するが、ユーザー企業の情報システム担当者が利用する管理ツールは、NTTPCコミュニケーションズが日本語のソフトを独自開発している。

 直接ユーザー企業に提案する施策も打つが、「SMB市場に強いIT企業との協業も推進する」(平林実・データセンタ事業部長)。システムインテグレーション(SI)やソフト開発事業を手がけるものの、設備やノウハウ不足で、ホスティングサービスを手がけられないIT企業と組んで、間接的にユーザーを獲得しようという考えをもっている。(木村剛士)