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米パラレルスのスティーンCEOが来日、SMB戦略を語る

2011/06/13 10:33

 米パラレルスのバーガー・スティーンCEOが来日し、日本法人の富田直美社長とともに、同社のビジネスの現状と戦略を説明した。

 米パラレルスは、1999年の設立。現在、サービスプロバイダ向けに、SMBを対象としたクラウドサービス構築の支援ソリューションと、デスクトップ仮想化という二つの事業を展開している。

 5000社以上のサービスプロバイダがパラレルスの製品を利用し、1000万社以上のSMBにクラウドサービスを提供。最近の5年で300%以上もの成長を達成した。パートナー数は300社から800社まで増加し、数百のSaaSアプリケーションを提供するための支援をする「イネーブラー」としての位置づけを確立してきたという。スティーンCEOは、「これまであまり注目されていなかったSMBに、ここ2~3年、注目が集まっている。当社は10年間、先駆者として成長してきた。今後は市場のリーダーになりたい」と語った。 

米パラレルスのバーガー・スティーンCEO

 SMBは世界中で1億4800万社に上り、世界のITサービス、テレコムサービスの2分の1はSMBユーザーという。しかし、これまでSMBのITやテレコムへのニーズを満たすソリューションは少なかった。パラレルスの調査によると、現在米国のSMB向けのクラウド市場は日本円で約8600億円だが、2014年には、2兆3200億円にふくれ上がると予測している。スティーンCEOは、「クラウドはSMBに合う。SMBのニーズに応えることが、大きなビジネスチャンスを生む」と話す。

 パラレルスは、APS(Application Packaging Standard)という規格を推進している。APSによって、容易にSaaSアプリケーションのパッケージを作成し、パラレルスのクラウド配信プラットフォームに統合できる。サービスプロバイダは、特別なコントロールパネルを用意したり、サービスインフラにアプリケーションを提供する手間をかけたりすることなく、APSに準拠した数十万に及ぶクラウドアプリケーションをすぐに顧客に提供することができるようになるという。スティーンCEOは「さらに実績を積み上げて、日本のSMBにも貢献したい」と抱負を語った。

 富田社長は「ITは実に不公平。それを公平にすることが私たちの役割だ」と話す。パラレルスは、仮想化、コントロールパネル。プロビジョニングや課金・請求の自動化など、クラウドサービス構築のための支援ソリューションを提供している。 

パラレルスの富田直美社長

 従来は、プロビジョニングや課金の仕組みも一から構築する必要があり、Amazonのようなサービスを始めるためには、同等の投資が必要とされていた。「当社は5000社のサービスプロバイダに、クラウドサービス構築のための一連の仕組みを提供している。ソフトウェア商材をかき集めて、SaaSモデルでユーザーに提供し、自動処理することで、1円でも多く儲かる仕組みを提供できる」(富田社長)としている。
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外部リンク

パラレルス=http://www.parallels.com/jp/