NTTグループのシステムインテグレータ(SIer)のNTTコムウェア(杉本迪雄社長)は、東日本大震災によって節電対策や在宅勤務の重要性が高まっていることを受け、クラウド型サービス「SmartCloud」を基盤とした節電/在宅勤務ソリューションの事業展開を強化している。5月には、在宅勤務の安全な環境を提供する仮想デスクトップサービスのベーシック版を発売しており、市場の拡大を進める。

サービス事業本部
サービスプロバイダ部
SmartCloud-BU
今里亘
ビジネスユニット長
 NTTコムウェアは、NTTグループ向けのシステム構築やソフトウェア開発を主要事業としている。2009年に、社外向けの事業展開を強化すべく、クラウドサービス「SmartCloud」の提供を開始した。ICTインフラを提供するIaaS型のサービスを第一弾として、アプリケーション機能を提供するSaaS型サービスや、デスクトップ環境を提供するDaaS型サービスを順次にメニューに追加するなど、「SmartCloud」の事業展開を拡大してきた。

 今年5月、1000人以上の企業を狙うDaaS型の「SmartCloudデスクトップ(アドバンス)」の廉価版として、50~1000人の部門単位で在宅勤務を検討している企業に向けたベーシック版を発売した。サービス事業本部サービスプロバイダ部SmartCloud-BUの今里亘ビジネスユニット長は、「広いターゲット市場に最適化したベーシック版は、アドバンス版の導入に向けたドアオープナー商材と位置づけている」という。ベーシック版の展開を通じて、中長期的にアドバンス版の大型案件の獲得を目指していくわけだ。

 NTTコムウェアは、「SmartCloudデスクトップ」のベーシック版の投入は震災前から検討・推進していたというが、東日本大震災以後の節電や在宅勤務ソリューションの需要拡大に対応し、ここへきて、短時間で安全なデスクトップ環境を実現するツールとしてベーシック版を訴求している。今里ビジネスユニット長は、「在宅勤務を検討する企業から、数十件の問い合わせを受けている」と、新商材に手応えを感じている。

 同社は現在、「SmartCloud」の各サービスを主に直販で展開しているが、今後、パートナーを介した間接販売を本格化して、「2012年をめどに、『SmartCloud』全体で500億円の売り上げを目指していく」(今里ビジネスユニット長)としている。(ゼンフ ミシャ)