「FRONTIER」ブランドで自社製パソコンを展開するKOUZIRO(山田健介代表取締役)は、法人向け事業の強化に取り組んでいる。7月末に、製造業や金融業での利用を狙ったキーボード付きのタブレット型パソコン「FT102」を発売し、今後、販売代理店を500社へとほぼ倍増する計画だ。法人向け事業の拡大によって、親会社のヤマダ電機に依存しない経営方針に舵を切る戦略だ。

 ヤマダ電機のグループ会社であるKOUZIROは、ヤマダ電機の店頭用パソコンの製造・販売を主事業としており、親会社向けビジネスが売り上げの約70%を占めているという。取締役兼執行役員専務で営業本部副本部長を務める川崎浩三氏は、「今後、親会社への依存度を下げて、ひとり立ちできるように、法人向け事業を強化していきたい」としている。

 法人向けとして、本体とキーボードを合わせて持ち運びできる仕組みの「FT102」を7月末に投入した。川崎専務は、「ペーパーレス化が進んでいる工場や銀行関連、学校など、当面は新製品のターゲットを幅広く設定して、ニーズを捉えながら、重点市場を絞っていく」という。その戦略の一環として、現段階で「FT102」のAndroid版とWindows版の両方を用意し、これから先、需要に合わせていずれかに注力していく。

 KOUZIROは「FT102」の発売に合わせて、法人向け販売網の拡大を推進している。2012年3月をめどに、販売代理店を現在の約240社から350社へ拡充し、今後、さらに500社まで増やしていく。「新規パートナーの獲得によって、大手企業など、当社がまだリーチできていない市場領域を開拓していきたい」(川崎専務)と意気込みを示す。

 同社は、法人事業の拡大のもう一つの柱として、ソフトベンダーとの提携を強化していく構えだ。川崎専務は、「ハードウェアを提供する当社が金融業を得意とするソフトベンダーと組んで、パートナーの力を借りて、強固なセキュリティなど金融業特有のニーズに対応したい」と語る。(ゼンフ ミシャ)

新商材の「FT102」