大手SIerの富士ソフト(白石晴久社長)は、中国ビジネスの拡大に本腰を入れる。すでに中国事業が軌道に乗りつつある富士ソフトグループのヴィンキュラムジャパン(瀧澤隆社長)と、中国有力SIerの東忠グループ(丁偉儒董事長)などと連携するかたちで、「富士ソフトグループとしての中国事業を拡大する」(富士ソフトの野澤仁太郎・執行役員国際部長)との方針をより明確化する。

 ヴィンキュラムジャパンの中国法人は、SIや運用の拠点として、東忠グループが杭州に展開するインフラを活用している。主として「流通・小売業の顧客向けのビジネスを伸ばしてきた」(ヴィンキュラムチャイナの大西誠総経理)という。また、上海のヴィンキュラム現地法人では、中国での通信回線の販売許可を得るなど「許認可事業にも進出した」(上海ヴィンキュラムの黄暁総経理)としており、中国法人の設立から3年目にしてビジネスが軌道に乗りつつある。

 これまで富士ソフト本体のグローバル進出は、台湾がメインだった。グループ会社が中国進出を加速させるなかで、富士ソフト本体も、中国でのビジネス立ち上げに本腰を入れる。中国側のビジネスパートナーとして組んだのが、杭州を起点に中国全国への展開を進める東忠グループである。グループ内外の企業と連携することで、ビジネスの迅速な立ち上げを図る。

 東忠グループの丁董事長は「当社はIT環境が整備されたオフィスや、必要に応じてSEを供給するSI事業者向けのプラットフォーム提供に徹する」と補完関係を重視。富士ソフトグループ全体では、組み込みソフトなど流通小売分野以外の強みも多数もっていることから、「先行するヴィンキュラムのビジネスをベースに、グループ全体として中国事業を伸ばしていく」(野澤執行役員)考えだ。富士ソフトグループは2016年3月期に海外売上高比率10%への拡大を目指しており、中国事業はこの一環と位置づけられる。(安藤章司)

左からヴィンキュラムチャイナ(杭州)の大西誠総経理、富士ソフトの野澤仁太郎執行役員、東忠グループの丁偉儒董事長、上海ヴィンキュラムの黄暁総経理