その他
日本マイクロソフトがERP事業をてこ入れ シェア向上の余地は大きい
2011/09/22 21:07
週刊BCN 2011年09月19日vol.1399掲載
日本マイクロソフトがERP(統合基幹業務システム)の旧バージョン「Microsoft Dynamics AX 4.0 日本語版」の提供を開始したのは2007年6月のこと。昨年度(2011年6月期)は、ERPの売り上げと導入本数が前年度比100%の伸びをみせた。川崎嘉久・Dynamicsビジネス本部ERPソリューション推進部部長は、「ERP事業が非常に大きく伸びた」と、好調をアピールする。
追い風となっているのは、主に製造業がグローバル進出するときの新工場の立ち上げなどに伴う内部統制の強化、国際財務報告基準への対応の動きだ。こうした動きが、グローバルで導入シナリオとして推進している2層ERPのニーズを高めた。2層ERPは、組織内の異なる階層でERPをそれぞれ導入するモデルだ。例えば、本社にSAP、子会社に「Dynamics」といったかたちで導入が進んだ。「コスト意識がシビアになっているユーザー企業が、コスト競争力のあるDynamicsを導入することもある」(川崎部長)。
さらにいえば、横河ソリューションズをはじめ、NECやアビームコンサルティング、アクセンチュアなど、30社以上のパートナー企業を抱え、プロセス製造業や組み立て製造業向けのパートナーソリューションが充実してきたこともユーザー企業の活発な導入を促したとみられる。
ただし、である。好調とはいっても、国内市場における納入実績は多くはない。発売から5年目に入った現在、累計の納入実績は100社ほどにとどまっている。この実績をみれば、売り上げと導入本数が高い伸長率をみせたとしても特段驚くほどではない。川崎部長は、「まだまだ認知度が低い。まずはDynamicsを知ってもらえるようにしたい」と語る。
今年度に入って、同社は国内市場でのプレゼンスを高めるために、同社は事業のてこ入れを図っている。数十人で構成するコンサルティングサービス部門での専任チームを新設し、200~300人の海外部隊と連携しながらバージョンアップの見積もりやハードウェアのサイジングなどでパートナー企業を支援する体制を整備した。川崎部長は、「供給能力が足りないので、パートナー企業には担当人員の増強をお願いしている」という。
マイクロソフトは、豊富な研究開発費と人員リソース、強力な製品群をもっている。「Microsoft Office」アプリケーションと連携する操作性のよさや、柔軟にカスタマイズできる階層型のアーキテクチャ「レイヤーテクノロジー」を特徴としており、競合との差異化ポイントは大きい。こうした観点からみれば、日本マイクロソフトは、外資系ERPベンダーや独自性を打ち出しづらくなっている国内のERPベンダーにとっては、歓迎したくないライバルであることは間違いない。(信澤健太)
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