会場の六本木アカデミーヒルズには朝から多くの参加者が詰めかけた
IT業界の専門紙『週刊BCN』は、今年10月に創刊30周年を迎えた。BCNの奥田社長は開会の挨拶で、「人生には三つの坂がある。『上り坂』『下り坂』、そして『まさか』。BCNはこの30年、経営者と企業の上り坂(成長)と下り坂(低迷)、そして、まさかをみてきた」と『週刊BCN』創刊当時からこれまでを振り返った。
2008年以降、経済の方向を見定めるのが難しい状況のなかで、IT産業にとっては、疲弊した地域経済を地元のSIer(システムインテグレータ)がどうやって盛り上げていくのか、クラウドによってIT企業が事業体をどのように変えていくのか、また、日本市場が飽和状態にあるなかで、海外でどのように拡大するのか――などが課題となっている。奥田社長は「いま、中国ではワールドカップのようなことが起きている。中国市場で海外勢、中国勢、日本勢が戦っている。日本が今後、中国市場とどのように関わりをもつのか、流通の立ち位置から情報を発信していく。30年後、私は92歳だが、そのときに『日本のITは強くなった』と話したい」と述べた。(鍋島蓉子)
BCNの奥田喜久男社長