【シンガポール発】米ヒューレット・パッカード(米HP)は、10月18日、日本とアジア太平洋(APJ)地域の報道関係者を招いたクラウド関連イベント「HP CLOUD & INNOVATION」を、シンガポールのコンベンションセンターで開いた。HPは、APJ地域が世界のなかでもクラウドに対するニーズが強い地域と判断し、マーケティング活動の一環として開催したもので、会場には日本や中国、韓国、タイ、ベトナムなど、APJ地域15か国の記者約100人が集まった。

 イベントには、クラウド関連のマーケティングを手がけるSteve Dietchバイスプレジデントのほか、米HPのAPJ地域を担当する幹部が複数登場。中国とインドを中心としたアジアの新興国が急速に経済成長を遂げている状況を説明し、クラウドビジネスの拡大の余地が大きいことを強調。「APJ地域でのビジネスを強化する」との姿勢を各国の記者に印象づけた。

Steve Dietchバイスプレジデント

 そのうえで、米HPがもつクラウドのIT基盤を支えるハード・ソフトの特徴、オンプレミス型システムからクラウドに移行するためのコンサルティングサービスの強み、新たなファイナンシャルプログラムなどを披露した。ユーザーがクラウドに移行するときの課題、それを解決する技術やソリューションを「移行」や「運用」など、ライフサイクル別に説明した。

 また、米国の調査会社フォレスターのアナリストが登場し、アジアのIT市場動向を説明。2011年の国別IT投資額ベスト5のうち、4国(中国、韓国、インド、オーストラリア)がAPJ地域の国とした予測を公開し、成長の余地が大きいことを強調した。このほか、米HPのクラウドユーザー4社を招いたパネルディスカッションも開催した。

 米HP幹部は、各国記者の個別インタビューにも対応した。Steve Dietchバイスプレジデントは、日本や中国、インドの記者の合同インタビューで、PC事業の今後に言及。「PCビジネスはHPの一部。これは変わらない。(PCは)コアストラテジーだ」と話し、事業の売却を否定した。

 イベント全体のトーンは、米HPのクラウドとAPJ地域に対する強い意気込みを強調した内容だった。APJ地域の戦略では、日本だけでなく、APJ全域をターゲットに据えている考えが色濃く表れていた。インドや中国といった特定の国に言及することはあっても、日本に特化した話はなく、日本以外の国を重視している印象も受けた。(木村剛士)