米ネットギアの会長兼CEOであるパトリック・ロー氏が、10月中旬に来日した。ネットギアは、無線通信機器やネットワークスイッチ、NASの開発・販売に強みをもち、個人・法人の両マーケットに展開。法人向け製品は、とくにSMB(中堅・中小企業)に強い。ロー会長兼CEOに、今後の製品戦略と世界展開について聞いた。(木村剛士)

 ――世界的な経済環境は決してよくはないが、ネットギアのビジネスはどうか。今年度のビジネス状況を教えてほしい。

 ロー
 非常に好調だ。2011年度(11年12月期)の上半期売上高は、前年度比40%増で推移している。個人・法人を問わず、ユーザーがもつデータが、個数、1ファイルの容量ともに増加している。加えて、無線でデータをやりとりする機会が増えており、当社の主力製品分野であるNASや無線LAN機器、無線通信の速度を高速化する専用機の販売が伸びている。ネットギアの製品は、高品質でコストパフォーマンスが高い。景気が悪くなると、ユーザーは低価格製品を求める傾向があり、その観点から当社製品が選ばれているとも考えられる。今は追い風が吹いている。

「業績は好調」と話すパトリック・ロー会長兼CEO

 ――個人と法人に製品を販売しているが、全売上高に占めるそれぞれの割合は。

 ロー
 現在は、グローバルでは個人向けが60%、法人向けが40%。日本では個人が30%で、法人が70%と逆転している。ただ、これからは日本市場でも個人向け製品の販売を強化する。来年度には個人向け事業を一気に伸ばし、全体の70%を占めるまで成長させる。そのために、無線通信を高速化する専用機など、日本では未発売の新製品を続々と投入する。

 ――法人向け製品の開発・販売戦略は?

 ロー
 ローエンド(中小規模システム)向けのNASが中心になるだろう。当社は品質の高さと低価格が最大の売り。ある調査会社のデータでは、5000ドル以下のNAS市場では、当社の世界シェアはNo.1だ。今後もローエンド向けNASを中心に拡販を図って、この分野で今以上に強いポジションを確立する。

 ――世界全体の売上高のうち、アジア地域が占める比率は? また、ビジネスボリュームが大きい国はどこか。

 ロー
 アジア地域の売り上げは全体の12%だが、まだまだ伸びる余地があるとみている。来年度には20%まで高めたい。伸びしろが最も大きい国は、当然中国だ。現時点でも、中国の売上高はアジアのなかで最も大きいが、まだ拡大できる。10年後、当社の売り上げが最も大きい国は、中国になっているはずだ。

 ――中期的な業績計画を教えてほしい。

 ロー
 2014年までの中期経営計画を立てており、最終年度には売上高を20億ドル(約1520億円)まで引き上げる計画だ。北米とアジアを中心に深耕し、昨年度の約1.5倍まで成長させる。

2014年までの中期経営計画について、売上高を20億ドルまで引き上げる計画を示した

【パトリック・ロー氏 略歴】

 1983年から95年まで、米ヒューレット・パッカードに勤務。ソフトウェアのセールスやテクニカルサポート、ネットワーク製品部門、アメリカやアジアでの販売支援・マーケティングなどに従事した。95年8月に米ネットワークスに移籍し、小規模事業者や個人をターゲットとするネットワーク事業部を立ち上げる。96年1月に米ネットギアを設立。副社長、ジェネラル・マネージャーを歴任し、代表取締役社長に就任。02年3月から現職。