大手SIerの富士ソフト(坂下智保社長)は、中国のネット通販パッケージソフト開発の最大手、上海商派網絡科技(ShopEx、李鐘偉総裁)は、中国で日系企業向けのネット通販ビジネスを本格的に立ち上げる。

 ShopExが開発したパッケージソフトは中国で約80万社が利用しており、中国ネット通販パッケージソフト市場で約7割のシェアをもつ。流通・サービス業向けのシステム開発を得意とする富士ソフトグループは、ShopExと組むことで、中国での日系ユーザー企業のネット通販システム構築ビジネスの拡大を目指す。

写真左から富士ソフトの野澤仁太郎執行役員国際部長、上海商派網絡科技(ShopEx)の李鐘偉総裁、富士ソフトの稲葉将流通サービスソリューションユニット長

 具体的には、富士ソフトグループで中国・上海や杭州に拠点を展開し、データセンター(DC)やアウトソーシングサービスを手がけるヴィンキュラムチャイナグループが、ネット通販システム関連の販売・運営代行支援を行う。ShopExは中国でのネット通販パッケージソフト開発を通じて得てきたノウハウを富士ソフトグループに提供し、日系ユーザー企業の取り込みに力を入れる。

富士ソフトグループと上海商派網絡科技(ShopEx)の協業イメージ

 当面は、2014年度までに累計10社にネット通販システムを納入し、6億円の売り上げを見込む。さらに、今回のネット通販が足がかりとなり、中国に進出している日系大手流通・サービスユーザー企業の実店舗のPOSから販売管理、ネット通販、コールセンター、物流などのトータルシステムの受注が上がれば、「売り上げ目標は大きく上振れする可能性がある」(富士ソフトの野澤仁太郎執行役員国際部長)という。

 ShopExの李鐘偉総裁は、「流通・サービス業に強い富士ソフトの強みを生かすことで、日系有力ユーザー企業向けのビジネス拡大に弾みがつく。日系大手SIerと組むのは今回が初めて」と期待を膨らませている。

 中国のネット通販は急成長しており、2011年には日本のEC市場規模を超える9.5兆円の市場規模になる見込み。富士ソフトの稲葉将・ソリューション事業グループ流通サービスソリューションユニット長は、「14年には約25兆円規模に達し、日本の約2倍になる」と予想する。ネット通販のユーザー数は年間20%を超える伸び率で、11年にはおよそ2億人、14年には日本の総人口の約3倍にあたる3.5億人に達する見通しで、富士ソフトは「日本の流通・サービス業ユーザーにとって、大きなビジネスチャンスになる」(稲葉ユニット長)とみている。