日立システムズは、パブリッククラウドとオンプレミス(客先設置)システムの両方を統合的に監視するSaaS型ハイブリッドサービス開発に力を入れている。分散バッチ処理支援「App Bridge Executor(エグゼキューター)」を2012年1月をめどに、同年4~6月期には処理能力を制御するスケールコントローラーを投入する予定だ。販路としてISVやSIerなど幅広く募っていく。

 統合監視サービスの名称は「App Bridge」シリーズ。MicrosoftのWindows Azureや、Amazon Web Services(AWS)上のWindowsサーバーなどのパブリッククラウドに対応しており、10月21日にはMicrosoftのデータベース「SQL Azure」もサービス対象に加えた。日立システムズの中田龍二・第五営業本部クラウドソリューション開発営業部長は、「オンプレミス、クラウドを問わず、統合的に監視サービスを提供するとともに、今後はLinuxへの対応も検討する」とサービス拡充に力を入れる。

 2012年1月以降、順次投入する分散バッチ処理支援やスケールコントローラーは、システム運用の自動化を支援する機能だ。例えば、企業で使う勤怠管理システムを例に挙げると、朝の出勤ラッシュ時はWindows Azure上で動く仮想マシン(VM)を5台に増やし、昼間は1台に絞る。夕方の退社時は3台に増やし、ここで得た勤怠データをオンプレミスの基幹業務システムへ送る──などといった「一連の分散バッチ処理の自動化が可能になる」(菊池一也・研究開発センタ主任研究員)という。

 日本マイクロソフトの山本修平・クラウドビジネス推進室プリンシパルクラウドセールスエンジニアは、「クラウドとオンプレミスの両方に対応した統合監視のSaaS型での提供は世界的にみても先駆的」と高く評価。日立システムズは、ISVやSIerを経由したサービス提供にも取り組むことでシェア拡大を目指す。(安藤章司)

写真左から日本マイクロソフトの山本修平プリンシパルクラウドセールスエンジニア、日立システムズの中田龍二部長、菊池一也主任研究員