情報サービス産業協会(JISA、浜口友一会長)は、3月27日、独創性が高く、国際的に通用するシステムの創造者を表彰する「JISA Awards 2012」の受賞社――NTTデータ/SCSK――を招き、都内で受賞記念講演会を開催した。

 NTTデータは、グローバル戦略の一環として、世界規模でのシナジー創出や事業体制の強化に向けた「Global One Team」が評価された。同社は世界34か国143都市で2万6500人を展開しているが、「Global One Team」は、地域や組織を横串に、国内外のグループ企業の得意技やリソースを結集する取り組みだ。

基調講演でグローバルビジネスの過去の“失敗談”を明かすJISAの浜口友一会長

 SCSKは、自社開発のハイブリッドクラウドに対応したクラウド管理製品「PrimeCloud Controller」で受賞した。パブリッククラウドとプライベートクラウドを統合管理することができ、OSやミドルウェアの設定や監視システムとの連動を自動で実現するクラウドコントローラだ。

J基調講演や受賞各社の講演に真剣に聞き入る聴衆

 浜口会長は基調講演で、自らの出身母体であるNTTデータのグローバルビジネスを振り返って、1990年代、中国の人民銀行や中国版郵貯、北京市ICカードなどの大型システム開発プロジェクトに果敢に挑戦した取り組みを、「失敗の連続で、中国ビジネスの初期段階は、最終的に3桁億くらいの損失を出した」と語った。また、米国でシステム会社を買収したときは、「2~3億円くらいのM&A費用だったが、後になってこの会社に不良売掛金があることが判明して、結果として20億円くらいの赤字になった」と明かした。

 実は、このとき立て直しのために米国に飛んだのが、今の「Global One Team」をはじめとするNTTデータのグローバル戦略を推進してきた若き日の榎本隆副社長だった。「榎本君はM&Aについて猛勉強をして、M&Aの精度を高める多角的なデューディリジェンス(資産査定)の手法を学んだ」(浜口会長)という。中国についても、人民政府と党委員会の関係など、中国ならではの社会構造や商習慣を早くから学んできた。この成果の集大成として、今年4月に発足する北京の中国総代表を中心とする新体制で、中国でのビジネスにドライブをかける。

「ビジネスはクリエイティビティが大切」と説くJISA副会長の神山茂広報・人材委員長

 JISA副会長の神山茂・広報・人材委員長(ジャステック会長)は「ビジネスはクリエイティビティが大切」だと、過去の知識だけにとらわれない創造性を求めた。JISAでは、現在「JISA Awards2013」に向けた準備を進めており、今年8月をめどに創造性豊かで国際的に通用するシステム構築案件の募集を始める予定だ。(安藤章司)