アンチウイルス事業のDoctor Web Pacific(菅原修代表取締役)は、5月30日、特定の企業や政府機関を狙う「標的型サイバー攻撃(APT)の現状と対策」をテーマにしたセミナーを都内で開催し、ロシア本社のボリス・シャロヴCEOが、ロシアとヨーロッパでのAPTの現状について講演した。

 シャロヴCEOは、Doctor Webによるトロイの木馬の分析によって、ロシア政府やロシア国立研究センター、大手テレコム系SIerのAtlantis Communications社、ロシア石油会社のRosneft社がAPTのターゲットに狙われていることがわかったと説明。「国の根幹である政府機関や、国にとって戦略的な意味をもつ企業がAPTの攻撃を受けやすい」と述べた。

 また、オンラインバンキングの普及とともに、ロシア・欧州の金融機関もAPTに狙われることが多くなっていると指摘。「最近は、侵入したコンピュータから情報を収集するトロイの木馬『Trojan.Carberp』が危険性を増していて、銀行とその顧客が狙われるケースが多い。ロシアのほか、ウクライナやイタリアの銀行が攻撃を受けた例がある」と語った。

 シャロヴCEOは、「われわれアンチウイルスメーカーがいくら頑張っても、彼ら(サイバー犯罪者)も頑張る」として、常に最新の脅威を監視し、迅速に対策を講じる重要性を訴えた。(ゼンフ ミシャ)

ロシア本社のボリス・シャロヴCEO