IDC Japan(竹内正人代表取締役)は、国内ITサービス市場の準大手ITベンダー5社と中堅ITベンダー4社、合計9社の競合分析結果を発表した。準大手ITベンダーは、売上規模が1000億円を超える大手11社に次ぐ売上規模をもつITベンダーで、中堅ITベンダー4社は、売上100~200億円規模のITベンダーからタイプ別に抽出した。

 2012年3月期に国内ITサービス市場で売上高(IDC推定)がプラス成長になったベンダーは、大手ITベンダー11社では約半数にとどまったのに対し、準大手/中堅ITベンダーでは9社中8社に上った。準大手/中堅ITベンダーは、大手ITベンダーと比較して主要顧客のIT投資の増減による影響が大きく、主要顧客の投資回復が好業績につながったと分析する。

 ただ、業績を拡大したITベンダーの成長要因をみると、企業の経営統合に伴うシステム構築や改修など、一過性の案件の影響も大きく、中長期的には準大手/中堅ITベンダーのITサービスビジネスは楽観視することができない状況にあることがわかった。

 安定した成長を目指す準大手/中堅ITベンダーの多くは「新規顧客の獲得」や「ストック型ビジネスの拡大」を成長戦略に含めている。今までも、準大手/中堅ITベンダーは主要顧客向けに提供したサービスの横展開や、主要顧客向けに構築したシステムの運用・保守受託といったかたちでこれらの戦略に取り組んできたが、その範囲は狭くてスピードも緩やかなものだった。

 だが、市場や競合環境の激化は、同じ戦略であっても、既存顧客向けのビジネスを守りつつ、ストック型サービスを中心とした新たなサービスで広い範囲の新規顧客を獲得していかなければならない、という厳しい要求を準大手/中堅ITベンダーに突きつけているという。

 IDC Japanは、今後、準大手/中堅ITベンダーはストック型ビジネスを中心とした新たなサービスと新規顧客獲得の二つをポイントに、「攻め」と「守り」の両方に取り組む必要があると指摘する。今までの主要顧客から徐々に拡大していくやり方に比べ、さらなるスピードやリソースの有効活用が求められるとしている。(信澤健太)

準大手/中堅ベンダーの売上額前年度比成長率に対するサービスセグメント別寄与度 2012年3月期