IDC Japan(竹内正人代表取締役)は、ユーザー企業を対象に今年4月に実施した「2012年 国内クラウド市場調査」の結果を発表した。

 クラウドを理解していると回答した企業のクラウド利用・導入率は、SaaSが26.3%、パブリッククラウドが19.1%、業務特化型クラウドが8.2%、プライベートクラウドが17.2%(図1)。2011年の調査結果と比較すると、利用・導入率はすべて増加した。

配備モデル別クラウドの利用検討状況、2011~2012年

 「検討したが利用しないことに決定」と回答した割合は、11年調査と比較して大幅に増加。東日本大震災の影響から、セキュリティ対策として検討する企業は増加したが、技術・管理的な課題によって短期間ではクラウドの利用・導入ができないと判断した企業が多かったことが背景にあるとした。

 パブリッククラウドを提供するベンダーは増えているが、ユーザー企業が検討・評価するベンダー/サービスの数は限られている。パブリッククラウドを利用している企業が評価するベンダーの数は「3社以内」とした回答が多く、ベンダーは認知度を向上するとともに、検討・評価の対象になるような提案を行うことが重要だとした(図2参照)。

検討・評価したパブリッククラウド のベンダー/サービス数

 国内クラウド市場でのベンダーにとっての課題は、10年にSaaSが「認知度向上」から「差異化」へと変わり、11年もPaaS/IaaSで同様の変化が起こった。IDC Japanは、12年にはプライベートクラウドでのベンダーの課題が、「クラウドの啓発とベンダーの認知度向上」から「差異化」へと変化するとみている。

 松本聡ITサービスリサーチマネージャーは、「顧客視点でクラウドの提案を行い、自らの特徴を明確に示すことがベンダーの差異化につながる。一方、確固たる地位を築かなかったベンダーには、近い将来、淘汰の波が訪れるだろう」と分析している。(真鍋武)